■ユリ熊嵐を見ています。4話まで見ました。幾原監督の言いたいことは、うっすら分かるものの、主題へのアプローチの仕方が独自だなと思いました。最終話まで見れば、スッキリするでしょうか。成人男性である監督の主題を、美少女・丸っこいアニマル・お花等で表現するのは何故なのか。
ユリ熊嵐を見ていると、ウテナの様な所、セーラームーンの様な所と、つい比べてしまいますが、もう少し見てから色々考えたいと思います。異性愛では語れない主題なんだろうなと思います。
■細雪を読み終え、図書館に返して来ました。読むのに時間がかかったはずなのに、一瞬の出会いの様に思います。今はメグレ警視を読んでいます。ワンパターンですが慣れた世界が好きです。ところで細雪の4姉妹の願いみたいなのを挙げるとするなら。
■鶴子 蒔岡家の再興、と言いたい所だけどお店は人に譲ったし、辰雄の収入では蒔岡家たる支出は出来ない。本家ではあるが、夫婦と子供達の生活で手一杯。
■幸子 蒔岡家の再興というか、蒔岡家は家名も経済ももうかなり衰退しているのだという事を、彼女は認めない。雪子の見合いが生き甲斐に近い。セレブ人生一筋。
こう思うと、何故幸子の流産の描写があるのかと思う。蒔岡家の衰退の描写の一つ、何不自由ない幸子の幸福の陰、物語の一部と言えるのかもしれない。鶴子や妙子の様に経済面でなく、身体面で疲労と絶望を味わう幸子も、ある意味苦労人なのかも。
■雪子 お金持ちで知的で、由緒正しい家の生まれで、センスのいい優しい美男子と結婚したい。こう書くと雪子があれだけど、蒔岡家全体の願いでもある。
■妙子 執心するのはお金と異性とお酒と宝石と洋服。女放蕩家の様だけど、真の蒔岡家の令嬢であれば、たくまずしてこの世の全ての愛と富が手にできたはず。幸子の様に。
妙子、こいさんの放蕩について。自分はこいさんと呼ばれながらも、蒔岡家のうま味を味わう事なく成人した彼女の苦しみのせいかなと思いました。ただ、何度も洋行や自分のお店の開店、舞の稽古、人形制作と色々な方法で自分を表現してきた妙子に、そういうやけっぱちな解釈は合わないのかなとも思いました。
奥畑のばあやが言うように、お嬢さんの片手間の芸事でどこまでお金が稼げたのかは謎です。板倉との恋愛も、雪子、ばあやの指摘通りに、板倉に遊ばれたのかなという解釈も出来ます。板倉にあまりにひどい解釈ですが。
妙子が蒔岡家から独立しようとしていた、とは考えられないかなと思いました。板倉や三好との恋愛は、そう思わせますし、洋裁も洋行も一時は本物になりかけていました。ただし、何事も本家と幸子の了解がないと資金も保護も受けられません。洋行、ないし洋裁店の開店は本家の金あっての夢なので、板倉が蒔岡家の財産を巻き上げようとしていたとも言えるでしょう。
あと。板倉との結婚話の時、妙子は「板倉とその家族は自分をお姫様の様に扱う」と言って喜んでいました。姉妹間で邪魔者にされがちな彼女には刺激だったでしょう。やはり妙子に独立という考えは薄く、蒔岡というブランドを手放す気は無かった様です。
三好との恋愛に及んでは、雪子の見合いは失敗続きだし、奥畑は勘当されるしで、いくらか妙子は絶望していたのでは。そして妙子を苦しめているのは、何より雪子=蒔岡家のブランドだったのでは。ブランドである以上、手放す事が出来ないけれど。 |
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