madeingermany

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...... 2015年08月11日 の日記 ......
■ かえる   [ NO. 2015081101-1 ]
■ヒカルの碁はお姉さん役兼ヒロインみたいなものだった佐為が消えると、青年誌の漫画の様だと思いました。社のお父さんの「碁でこれから息子が長い人生生活できるのか」という疑問は、もう少年誌のものじゃないと思います。

「やってみないと分からないじゃない」「これって楽しいね」「気持ちが大事だよ」とか、耳に優しい言葉が世の中にあっても、それが碁についての言葉だったら塔矢に頭をヤカンで叩かれそうです(※社にはギャグだったが塔矢からヤカンが飛んできた)。

佐為も明るくて碁が好きな美人さんと言うだけでなくて、碁で悲観して入水した人です。佐為には生前より秀策との時間の方がお気に入りだった様で、素の荒々しさは秀策のお蔭で薄れた気がします。佐為の碁への思いを守るために、ヒカルは後半で発奮しますが、佐為がいない今ではある意味ヒカルの一人相撲です。優しい理解者、頼もしい保護者がいなくても戦うのが青年誌なのかも。




■身は相変わらず群馬にあるのに、帰りたいと思う事があります。よく考えると、帰りたいと本当に思える程人生が円満だった時期はないので、美化されているんだろうなと思います。美化、偶像視、アイドル化しては対象の本来の姿は分からなくなると思いますが、帰りたいけど遠くで思うだけの場所なんて、偶像に他ならないのかもしれません。

昔大学構内で、高校時代を懐かしく思った事があります。勝手に受験一色の生活を送っていた、身も心の汚い高校生だったのに、時間さえ経てば自分で美化するんだと驚きました。

在学時、まさかキャンパスでの日々をいつか美化する事は無いはずと思いました。頭では美しくないと思っても、感情は勝手に美化して、十数年前を恋い慕う様です。




ルーザー様も苦しかった時、何かを美化したのだと思います。普段から兄弟や今のガンマ団を美化していたルーザー様なので、更なる美化の対象は父親と昔のガンマ団でしょう。

ジャンを殺した後、マジックが自分に冷たくなったのをルーザー様ははっきり感じたのでは。よこしまなジャンを殺し、救ったはずのサービスは目をえぐり、ハレもマジックの痴情沙汰や、ルーザー様の乱暴で残酷な振る舞いに愛想を尽かしています。

ルーザー様の胸に蘇ったのは、ライオンパパのいた頃かもしれません。当時もガンマ団は無慈悲で、少年が死を覚悟して総帥に発砲する程嫌われていましたが。ルーザー様にしてみれば、兄弟みんなが愛した父が生きていた、素晴らしい頃として回顧したでしょう。



そんなお父さんとの思い出、というかお父さんの思い出を具体的にはルーザー様は持ちません。あくまでマジックが兄弟を代表して父と話していたと思うので、ルーザー様が直接何かしてもらった事は無いと思います。いつも血なまぐさい、危険な場所に父がいるのだと、ルーザー様はイメージしたのかも。

Eブロックってそんな場所かもしれません。激戦区だけど、そんな場所をライオンパパは好みそうです。敵兵を素手で殺しまくっていたのかも。残忍で理不尽な父親の姿を、父親を美化しているルーザー様はイメージせず、ただ、荒野に父親を探しにいったのかもしれません。

ライオンパパに会いに行くルーザー様の心は幼少にさかのぼっていて、大人になってから世話した高松の声も、残されるだろうキンちゃんの姿も占める余地がなかったと思います。父さん助けて、兄さん助けてと、念じながらルーザー様は亡くなったのだろうと思います。

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