madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2015年08月24日 の日記 ......
■ ルザ高妄想   [ NO. 2015082401-1 ]
■アガサ・クリスティーを読んでいます。探偵ものはメグレがストイックで好きですが、たまに落ち着いたミスマープルものを読みたくなります。復讐の女神、予告殺人を読みました。気になっていたけれど読んでいなかった作品です。流石クリスティーというか、生き死にの瀬戸際を扱っているのに、描写が大げさでなく納得出来ます。感動を引き出すために故意に設けた殺人事件ではなく、もっと大きな物語が小説中に存在しているからでしょうか。



■高松がルーザー様の死後、ルーザー様について多くを語らなくなっただろうことは賢明だったと思います。グンマさえも、ルーザー様の性格や仕事など知らないまま成人したあたり、ルーザー様の事は高松の前ではしゃべらない方がいいと、青の一族間で合意があったかのようです。

十代で科学者、医師としてスタートしていた高松がその後も多岐にわたって名を成すのは。一重にルーザー様の名を朧にでも自分が継承しているのだという自負のせいでしょう。グンマには、老後の貯蓄ためだと茶化して多忙なのを説明していたと思います。

シンタローに至っては、ルーザー様の名前も聞かなかったかもしれません。他にも若くして亡くなった一族の重要人物は多そうですし。思い出に触れないでいれば時間が癒してくれて、高松も普通の生活が送れるだろうという、恐らくマジックの判断は間違いではなかったと思います。

キンちゃんが登場するまで、それは正しい判断だったと思います。墓守の様にガンマ団から離れられなかった高松が、仮にでも自由な隠居生活を送れていたのなら、大事な思い出を話すべき人に話せたと思われます。




一つ疑問が沸いたのは。高松は自身についての大抵の言葉は浴びて来たと思います。特異体質でない、青の一族でないのに妙に上から可愛がられている、グンマは貴方の何なのか、研究は役に立つのか、医者なのに人が助けられないのか。

そもそも性格が悪い、根性が悪い、えげつない、「年の功」、ソネ君には恐らく容姿の事を言われていると思うので、立場、仕事、性格、容貌と、高松が心地いい言葉を向けられた描写の方が少ないでしょう。教え子にすら「負けろ」と暗に言われてますし。

そんな高松が皆の前から去るくらいの事って何だろうなと。単なる人事異動かもしれませんし、怪我のせいもあるでしょう。マジックがトップでなくなれば高松の庇護者がいなくなってしまうので、自然な選択とも言えます。ただしルーザー様の墓守であり、シンタロー(=キンタロー)の本当の保護者だった高松が何らかの選択をする時は、やはり故人への思いの表れになるのかなと思います。

膏肓に至るというか、健全で正常な精神とは遠ざかった思いであっても、ともあれキンちゃんに何かを継承出来たのなら、高松は死んでもいいくらい嬉しかったでしょう。そこまでの高松の気合いをよそに、若手の一人として皆に馴染んできたキンちゃんが、健康的な反抗期を迎えたら、不健康な顔ですねて見せるのが高松なんだろうなと思います。すねる高松に真っ向から挑むキンちゃんが見たいです。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: