madeingermany

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...... 2015年08月25日 の日記 ......
■ 八の宮(源氏)   [ NO. 2015082501-1 ]
■そういえば、自分は就職に全く不利と言われた文学部卒でした。おまけに専攻が東洋史で、具体的に現代において求められるものを何一つ身に着けていません。よくサラリーをもらう身になったと今でも思います。

振り返ると、架空の様な世界に身をおいてここまできて、今更何も怖くないんじゃないかと思いました。ルザ高、キン高の描写に自分の母校の構内をイメージする事があります。文系、理系、体育会系と何でもそろっていて、不遜ながら悪い学校ではなかったと思います。

臆面もない大学生活をしていた頃を思い出しに、自分は関西に行くのかもしれません。あの頃は怖いものなどなかった気がします。ただしその頃同人サイトを始めて、あれやこれやで終始落ち込んでいたので、その辺は成長が見られません。OVAジャイアントロボ二次創作サイトでした。




■マジックの息子達に付いて考えていたら、源氏の宇治十帖を思い出しました。宇治の三姉妹のうち、大君と中君は手厚く父の保護を受け、姫として遇されるのに、浮舟は母ともども捨てられ、母の再婚先でも居場所が見つけられず、宇治に来ても薫と匂宮に振り回されます。

それでも聖人と言われる八の宮。何故なら、当時は親が子供達を平等に可愛がると言う考え自体なく、数ある妻のうちのどんな女性が生んだかで待遇が決まり、浮舟の様に立場がない子供もあったそうです。兄弟姉妹間が平等でないのが源氏であって。

マジックが八の宮なら。大君がグンマ、中君がシンタロー、浮舟はコタローになるのでしょうか。我慢のし通しで亡くなった大君、匂宮に迎えられて待遇よく暮らす中君、波乱万丈の浮舟と思うと、宇治の三姉妹とグンマ三兄弟に近いものを感じます。中君(シンタロー)以外は、自力でも他力でも幸福になりにくいあたりが。


以下、宇治十帖雑感です

■叔父がいる宇治の山荘を薫が訪ねた時、お姫様が2人いるのを知る所から、宇治十帖は始まります。叔父さんの娘なので、彼女達は薫の従姉妹にあたりますが、親戚付き合いなんてものでなくて、彼等は最初から異性として対面してます。

高貴な一族だと、兄妹婚は流石になくとも、従兄弟婚は普通になります。源氏も朝顔を正妻に迎える話が何度かあったそうです。同程度の地位を持つ人間自体、少ない中の婚姻となると薫や匂宮の頃は実に窮屈です。

そういう華やかな異性関係もあり、また一方で人生を捨てたような八の宮の暮らしも魅力的で、宇治十帖は結構好きです。浮舟の悲惨な立場とか、結局彼女が出家を遂げないとどうにもならないので、人生を明るくするのは異性にあらずとでも紫式部は言いたかったのでしょうか。



■浮舟が何故男達に振り回され、いい加減にされ、挙句自殺未遂に至るのかと言えば、父親の八の宮が浮舟とその母を面倒見ないからです。正妻が亡くなった寂しさで使用人に手を出し、浮舟が生まれたけれども、八の宮は亡くなった正妻恋しさに、浮舟母子を捨てたそうです。

ひどい話だと思いますが、これが当時の普通だそうです。紫の上も、母親の死後父親に頼れないで祖母の側にいました。通い婚だからというだけでなく、男女同権、女性は実家住まいが普通で、生まれた子供も祖父の家で育つのが普通、しかも婚姻関係自体融通無碍な時代なので、関係があったとしても、女性に飽きたら男が通わなくなるのはあり得ます。

源氏はまめで有名ですが、頭中将は夕顔を見捨てていますし、近江に関係した女性がいて、玉鬘に対抗心を燃やす時になって今更生まれた娘に注目したとか、家族関係も想像以上にゆるいです。名君と言われた桐壺帝も、最愛の息子は桐壺となした源氏であって、勢力図的に帝位についただけの朱雀は余り可愛がりません。

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