■ミスマープルものの、書斎の死体を読み終えました。謹厳な退役軍人夫妻の家に、若くて派手な女性の遺体があって・・・という内容です。退役軍人のスキャンダルだと噂する世間から、友人夫妻を守るためにミスマープルが奮闘します。
退役軍人夫妻は関係ない事件に巻き込まれただけでした。犯罪者は別にいて、ミスマープルに見破られてお縄になります。メグレものなら、退役軍人のスキャンダルの線でまとめるだろうなと思いました。
ミスマープルものは、いつも貧しい人が罪を犯します。お金がないから罪を犯すとも言えますが、ミスマープルは絶対に許しません。犯罪は許すもんじゃないんですが、メグレみたいな同情と理解が一切ないのが怖いです。犯罪者の罪に至るまでの悲しい半生が書かれる事は稀で、書かれても同情が寄せられている感じがありません。
あくまで私見で間違いだらけですが。ミスマープルものの登場人物と言えば。
・事件にも関係者にも、基本的に部外者であるミスマープル ・事件に巻き込まれただけの善良な金持ち一家 ・事件を呼ぶ込むくらい金持ちの老人
・貧しくて不幸な庶民の人 大体犯罪者 ・貧しくて不幸で病身の犯罪者の身内 ・貧しくて不幸な、家庭内使用人達 たまに被害者
罪を俯瞰する人、罪を犯す人の間に大きな壁を感じます。客観的にミスマープルは断罪に至るのだとしても、彼女は「私は貴方とは違う」と言い切っている様な気がして、まさしくネメシスです。
■南国後、高松がキンちゃんの側からいなくなったのは、キンちゃんの体面を考えての事かなと思いました。ちゃんとした成人男性である事と、お母さんみたいな人を身辺に侍らせておくのは両立しない訳で。
世話係を常時置くのが許されるのは、普通の人なら幼年期まで、または主人として侍従やフットマンを雇用でもしない限り、自分で自分の事を出来た方がいいという考えの方が優勢でしょう。
可愛いキンちゃんだから、あえて一人にしてみるとか高松が考えたのでは。高松はキンちゃんが嫌だと言っても、側にいた方がいいと思えばいたと思うので、単なる喧嘩別れではないでしょう。PAPUWAのキンちゃんの態度は、高松を「キレイさっぱり捨ててやった」顔には見えません。キンちゃんと高松は、遠くにいても精神的にいつも近かったのではと思えます。
ならばベッタリされていた南国グンマはどうなのだろうと思いました。超多忙な高松が、成人したグンマとどれくらい一緒にいたのかは分かりませんが、グンマと言えばドクター高松と周囲が暗示にかかったくらいは一緒だったのでしょう。
グンマの体面は丸つぶれなのでは。ミヤギもトットリもアラシヤマもコージも、皆、一人で海を渡ってシンタローを倒しに来ました。マジックの甥であるとされたグンマなので、半分は行楽的な感じでの渡航だったとしても、高松を連れて来てはいけません。
メンツより勝利だったと思うと南国グンマのモーレツさが好ましいですが、高松が島に来た理由は、ルーザー様の御子息の様子見なので、グンマ以上に行楽気分です。 |
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