madeingermany

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...... 2015年09月18日 の日記 ......
■ ポアロ   [ NO. 2015091801-1 ]
■気が付くと温泉の事を考えています。新聞でも温泉についての広告や記事が多く、何もしなくても周囲は湯煙です。前橋に新しい温泉施設が出来たと、今日の地元の新聞にありました。人が集まる場所には風呂を作ろうと言う発想が、まるでローマ帝国の様です。

土地が有り余る群馬には、大きな温泉施設がいくつもあり、遠くから見ても、「あそこに風呂がある」と分かります。

群馬に四万温泉という温泉がありまして、千と千尋の神隠しに出て来そうな旅館や景色も数多いです。40,000の病気が治るから、温泉の名前は四万というのだそうです。自分は単純なので、そうか、治るんだと嬉々として四万に行きます。

科学的に効くとか、医療的にいいとかは自分には分からないのですが効いた気がします。南国で大怪我した高松を招きたいくらい、いいお風呂が沢山あります。そういう妄想をこじらせて本を書いています。最初のスパーク新刊、次の年のスパーク新刊、今年のスパーク向け新刊と思うと、皆、キンちゃんがお疲れモードです。風呂タイムです。

キンちゃんは目覚めの時から半ば高松と一緒にいるので温泉浴に慣れていても、ルーザー様の場合は温泉でも普段通りかもしれません。何もない座敷で、高松だけ給仕に置いて研究に没頭していそうです。ルーザー様のお世話の間に、キンちゃんの勉強を見ている高松。




■クリスティの短編集、クリスマス・プディングの冒険を読んでいます。クリスティの新刊はクリスマスに向けて出版される事が多かった事からのタイトルでしょうか。まずミスマープルものを読み、徐々にポアロの方も読んでいます。

階級社会の香りがすごいです。日本でも明治維新前には武家社会があり、維新後は薩長出身者や財閥、貴族があって、優雅な細雪の世界が出現しました。ですが、基本的に戦前は才能ある人を中央に送り込むシステムなので、既存の階級が丸出しで分かる機会と言うのは、当時の小説を読んでもあまりない気がします。

幸子達蒔岡家の全盛期が日本の階級社会の体現だったとしても、あの作品は落魄しかけている幸子達の美学の話で、かえって庶民のお春の方が幸せそうに見える不思議。

帝大には日本中の秀才が集まっていたと思います。大学というもの自体が日本には新しい存在なので、イートン校の様な意味での名門、貴族、上流意識はあったとしても、英国程厳然としたものではなかったのではと思います。




ポアロを読んでいても、誰に自己投影していいのか分からなくて困っています。自己投影しないでスッキリ物語を楽しんだ方がいいのだと思いますが、読むからには自分の目線がどこに置いていいのかまず探します。

ミスマープルものの場合は、彼女の側にいる女性達の目線になって読んでいました。有閑夫人の気持ちや暮らしは分かりませんが、同性の方が理解しやすいです。ポアロの場合、ポアロは男性です。女性が出て来ても、美人女優とか若妻とか、キラキラしています。または本当にただの使用人であるとか。

劇中に出て来るのは、人形の様に美しくお金持ちの妻達と、機械の様に働く味気ない描写の独身女性達と。自分はポアロには詳しくないのですが、ポアロがエトランゼであるための余所余所しさなのか、クリスティの完全なる客観性の発露なのか、もう少し読まないとポアロの味に慣れない様です。

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