・リツコとミサトについて考えていました。リツコは母親の愛人だったゲンドウと自分も関係を持ち、母親の生き方をなぞっていますが、ゲンドウがレイへの傾倒を深めるまではそれでいいと思っていた気がします。幼いレイに嫉妬し、ミサトに自分の生き方をバカにされるまでは、リツコなりに納得していたのだと思いたいです。
ミサトがリツコと親しくし、かつバカにするのは、「あたしはあんたと違う」とミサトが言いたいからでしょう。「あたしは寂しくない」「あたしは充実している」と言わんがためにシンジを囲った訳で。
科学者であり友人でもあるリツコには、ミサトの欺瞞がよく分かるのだろうなと思います。自分のダメさ、愚かさを受け入れざるを得ないと思うリツコと、いつまでも欺瞞の中にいるミサト。ミサトの場合、怒りが自分自身へ向かず、怒りを人類補完計画やネルフへ向けます。ミサトの行動が物語を動かすキーになる事が多々あります。
ミサトの影響力を思えば、リツコはミサトを正すとかはしないでしょう。リツコにない力をミサトは持っています。でもミサトはリツコをバカにするでしょう。
・グンマ自身がどうしたいのかよく分からないので、グンマ本来の姿と言っても想像に限界があります。
キンちゃんの場合、父親や高松に似て知識も知能もありながら時々猪突なので、本来のキンちゃんと言うとコロコロしたウリ坊みたいな感じが浮かびます。
グンマの場合、もし高松やシンタローと言う想定外の存在と関わらなかったら、かいつまんで言うとミツヤの様な感じになったのだろうと思います。ミツヤが悪いとかいいとか論じる事は出来ませんが、彼は狂っているいないと言うより、青の一族のセオリーに従っただけの様に思います。
セオリーからはずれたのが、マジックのシンタローへの愛情、何故か一族のウリ坊を溺愛する高松の存在であって、グンマが青の一族的に純粋培養されたら、行き着くところは覇王だったのかなと思います。権力と暴力は彼のもの。
可愛いグンマにそんな事出来ない、という事は無いと思います。高松に「可愛くいて下さい」というメッセージを小さい頃から与えられ続けていたからグンマは可愛く振る舞うだけであって、自分の珍奇な発明でアラシヤマ・ミヤギ達目下を常に死に追い込むあたりで、十分青の一族の子だと思います。
コタローに対しても、コタローの「可愛い弟」でない部分を目に入れようとしないあたりで、やはり青の一族の男だと思います。マジックも自分の気に入らない事象にはそう対応していたと思います。シンタローは例外中の例外であって、マジックは秘石眼でない黒髪のシンタローを最終的には受けれいています。
自分が駄目なものは受け入れない、という姿勢は高松の本質の一つでもあると思います。サビ、ジャンの恋愛というより自己愛の関係に高松が否を感じても、彼は普通に振る舞うでしょう。高松の気持ちなどサビ、ジャンには重要な事ではないのでそれでいいと思います。
グンマがルーザー様を殺した男の息子である事。高松がその事実を忘れる事は無かったと思います。だからグンマの本来の力や立場は闇に葬り、「貴方はお可愛くいて下されば結構です」と無言で小さいグンマを圧したのかもしれません。嫌な男です。 |
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