madeingermany

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...... 2015年11月18日 の日記 ......
■ 漱石と落語   [ NO. 2015111802-1 ]
■南国のアニメになった部分を読み返していました。まだシンタローがガンマ団総帥の息子であるという事が明らかでなく、牧歌的な頃です。読みやすいです。アニメのこういう雰囲気が好きでした。

シンタローがカムイじいちゃと一緒に霊魂で東京に行き、コタローに会う回があります。ぬいぐるみの姿でもコタローを体でかばったシンタローは、日本へ帰った後でも同じ事をしています。かばったのはマジックですが。コタローはぬいぐるみの中のシンタローに気が付いたのなら、自分の眼魔砲でシンタローが死んでしまった時何か思うのでは。



コタローは幽閉されていた時間が長過ぎて、シンタローとの思い出を忘れてしまったのかなと思いました。

キンちゃんは自分と同じ金髪、青い瞳、白皙。シンタローは顔形が似ていない上に大嫌いな父をかばっています。コタローが超能力で呼んだのはシンタローではなく、シンタローの中のキンちゃんだったのかもしれません。ジャンの魂を継承したとされていたシンタローが、青の一族の呼びかけに答えられるでしょうか。

当時青の一族で、マジックと親しくなさそうな人と言うとキンちゃんです。コタローが自分の味方だと判断したのは、キンちゃん唯一人では。ますます兄のグンマの立場がなくなる憶測ですが、グンマの秘石眼のエネルギーは本当にどうしてしまったのでしょう。




■落語を聞いていて。漱石の坊ちゃんに代表される語り口の滑らかさは、落語の様なべらんめえ調から来ているのかなと思いました。坊ちゃんだからべらんめえでいいですが、帝大卒の紳士達、行人の一郎の様な教授がべらんめえでは困るので、窮屈な事になっています。

根がべらんめえなのに、歴とした紳士の口調で自分語りをしているので、中後期の主人公達は窮屈そうです。須永が一言、「千代子と自分は許嫁である。」と高木に宣言し、千代子を幸せにする方向で動けばいいものの、おどおどしているだけなのは、紳士だからではなく卑怯だからですが。

須永や坊ちゃんにしても。漱石自身が、親元で素直に育ち、学校で友人を作り、社会で地位を得て、奥さんをもらって子供達と幸せに暮らすというスタンスに懐疑的なので、物語が進めば進むほど展開は膠着します。いっそ那美さんの様に、からかってくれるだけの女性なら平和に交際出来るかもしれません。

漱石の出自と複雑な成長過程を思うと、普通の幸せを厭うのも無理ないのですが。漱石の人生観、異性観に巻き込まれた鏡子さんと子女達はしんどかったろうと思います。小宮の本など読むと、漱石は俗人にあらす神であるとでも言いたそうです。漱石を拝む小宮は勝手ですが、漱石の家族とは見解が異なるでしょう。

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