■キンちゃんは何故蘇る事が出来たのだろうと思いました。キンちゃんは、もしかしたらシンタローに体を乗っ取られたまま、シンタローが寿命で死ぬまで仮死状態で時間だけ経っていたのでしょうか。
キンちゃんが起きられたのは青の秘石に呼ばれたからかもしれません。青の秘石はずっとマジックが保管していたので、子供だったシンタローは石を見るだけでした。
青の秘石とすると、可愛い青の一族の男の子が一人増えた事は分かっても、赤の秘石の干渉のためにキンちゃんと交渉出来ません。シンタローが素手で青の秘石をつかんだ時、秘石とキンちゃんの交渉が始まったのかもしれません。
キンちゃんの出現は、体を支配しているシンタロー次第です。シンタローが青の秘石を握った所までは秘石の思い通りでも、シンタローが自損行為などするはずないので、ひとまず行動休止。
幽閉されていたコタローと、シンタローの中のキンちゃんが近づいた事がタイミングだったのかもしれません。青の一族のコタローのテレパシー的なものはシンタローが受信したのではなく、一族に呼ばれたキンちゃんだったのでは。キンちゃんが蘇った時異様に一族に詳しかったのは、青の秘石の刷り込みなのかもしれません。
青の秘石と番人は、ルーザー様を気に入っていた様なので、彼と瓜二つに成長したキンちゃんが欲しかったのかもしれません。高松は青の一族を非難するヨッパライダーに対し、マジック達の行動は彼等がワガママである証左というより、青の秘石の特徴・本能的なものなのではと言いますが、自分もそう思います。
■清は坊ちゃんの生母ではないかとすると、劇中の色々な違和感が一気になくなります。父が下女に生ませたのが坊ちゃんで、上の男の子が虚弱だったから、坊ちゃんを跡取りのスペアとして、家の次男にしたとか。
当時は母子手帳のたぐいがないので、生まれて届けさえすれば出来たんじゃないかなと思います。清は坊ちゃんの乳母代わりに家にいて、本当の奥様がいても、坊ちゃんのために頑なに家に居続けたとか。
何故、坊ちゃんが家中の家族と仲が良くないのかの理由になります。坊ちゃんの兄は、お父さんとお母さんが、清と坊ちゃんのせいで喧嘩する所も見たでしょうし、兄の自分が死ぬもんだという予想のもと、スペアとして家にいる坊ちゃんが好きになれなかったのかも。
ただし清が坊ちゃんの生母なら、新しい矛盾が起きます。
・正直を旨とする坊ちゃんと清の間柄に、嘘が出来てしまう。坊ちゃんが清が母である事を知らなければいいけど、知ってしまえば、大好きな清が嘘吐きという事になり、坊ちゃんは嫌なのでは。
・血の繋がらない家族というと、須永と母、千代子達の関係に似る。若くして亡くなり、消える様にいなくなった母への思いなのか、わざとらしい義母への復讐のためにか、須永は千代子に冷たい。坊ちゃんも、生母と義母の間で悩み、将来自分が家庭を持つ事を忌むかもしれない。
坊ちゃんが清と秘密を共有していたと思えばそれまでですが、漱石の作品の傾向でいうと、今後坊ちゃんは普通に結婚して家庭を持つ事は難しそうだなと思います。行人の一郎は下女の息子と言う訳ではありませんが、どうにも潔癖で普通の夫婦というのを忌み嫌い、お貞さんの婚礼の時も皮肉な態度でした。
千代子や直の様に、一生懸命夫たる男に尽くすのに、身に覚えのない嫌悪や無理解をぶつけられる女性が増えない事を願うばかりです。 |
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