madeingermany

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...... 2015年11月22日 の日記 ......
■ 自然   [ NO. 2015112201-1 ]
原稿を描いています。枚数を増やすことは出来ても、内容が比例しているかと言われると悩みます。ルーザー様なんて大半を妄想で構築しないとならないキャラなので、自分の思うルーザー様像が正しいのか分かりません。

ですが、南国を一応の終焉に導いたのはルーザー様とキンちゃんでした。ルーザー様は青の一族の罪から息子のキンちゃんを解放するために、自分を殺させたのではないかと思います。

それはマジックがシンタローにさせねばならない事でした。でもマジックを失ったシンタローも、シンタローを失ったマジックも劇中ではありえません。キンちゃんにはお母さんとも言える高松がいるので、ルーザー様も思い切った事が出来たのでしょう。ルーザー様は自分が死んでも、キンちゃんは一人ではないと知っていたのでは。

シンタローだって、コタのと世界の平和のためにマジックを屠る展開があったと思います。でも、一時的な正義感のために愛してくれる父を殺せば、シンタローはすごく後悔すると思います。父の死後、コタにも優しく出来ないでしょう。シンタローは、マジックの価値観を通して自分や世界を見ている気がするので。




■漱石と言うと、自然にこだわる人でした。オーガニックが好きと言う現代の感じでなくて、人間関係でも人為的な関係をひどく厭う人だった様です。主に小説からの印象が強いですが。義父母とのトラブルや、実家に帰った後でも居場所がなかったりで、辛い思いをしたから仕方ありませんが、周囲の人は大変だったろうと思います。

一番大変だったのは鏡子さんでしょう。漱石が人為的なものが嫌い、妻も子供も厭う人なら、鏡子さんと娘達の立場がありません。鏡子さんに離婚を勧めた人は、冷やかしやお節介ではなかったと思います。

確か谷崎の最初の奥さん、二番目の奥さんはいずれも離婚です。漱石みたいに、今の奥さんに嫌だ嫌だ言って困らすより、何でも好きにしてしまう谷崎の方が好意がもてそうです。好きに振る舞えるだけの財産を、谷崎は文筆で稼いでました。

もっとも谷崎の場合、現在の自分の状況を小説にしてしまう人でした。漱石の小説のテーマは現在の自分ではなく、やや過去の自分がテーマな気がするので、谷崎の方が自ずと行動が早くなる様です。



漱石の思う自然な人間関係と言うのは何ぞと思います。

・俳句仲間
趣味の交際なのだから、嫌ならスッと別れられる関係で、そりゃあ負担じゃないだろう。

・弟子達
有能な漱石を神と慕う秀才ばかり集まるので、ある意味世話がない相手だと思う。漱石にお金を借りたり、仕事をもらったりはしただろうけど、大人同士の付き合い。

・知人の娘とか、通りすがりの美少女とか。
なんのしがらみもないから、那美さんの様に裸を画工に見られたり、思い出を語ったりしてもダメージがない。気安いのは当たり前では。



劇中でも、二郎は直が兄嫁だから親しく出来たのでしょう。直を自分の妻として引き受ければ、二郎はすぐ直が嫌になるだろうと思います。こころの先生が、必死に静を求めた割にすぐ後悔した様に。

奥さんや子供、両親、義両親との関係が漱石には重かったと言えるんでしょうか。ならば全てを捨てる事も、漱石には出来たのではと思います。漱石が一時は大学教授で、相当の紳士であった事を思うと無理ですが。

実家が経済的に苦しかった谷崎、逆に金持ちの御曹司である荷風ならどんな無茶もしたでしょうが、漱石が中産階級紳士である事を止めないなら、やっぱり鏡子さんと娘達が苦労を引き受けるよりなかったでしょうか。

結婚が嫌、扶養家族が嫌と漱石は言ったとしても。漱石に面倒を見てもらうしかない鏡子さんや娘達、親類はもっと苦い思いをしたのでは。

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