■群馬の高崎は、関東でも大きい方のターミナル駅です。駅弁売り場もありまして、高崎名物の鶏飯、だるま弁当、信越線名物の釜めしが常時あります。
何故か鳥取のカニの駅弁も必ず陳列されています。北陸名物の鱒寿司もあって、そちらは北陸新幹線が高崎にも停車するので分かるのですが、高崎と鳥取を直接結ぶ鉄道はありません。外にも山形等県外の駅弁もいくつか売っていますが、JR東日本ではない鳥取の駅弁が何故か常時あります。
不思議に思うので鳥取駅に行ったら、高崎の駅弁があるのかどうか見てこようと思います。同じく他県である新潟の駅で群馬、鳥取の駅弁を見た事がないので、多分ないでしょう。
南国&PAPUWAの忍者トットリは、身バレしない様にあえて鳥取弁を話すのかなと邪推してみましたが、鳥取弁を話す人口は日本国内でおおよそ60万人です。日本で最も出身地が確定されやすい方言と言えます。トットリが身バレを懸念しているなら、いわゆる方言として人口が最多だろう京阪風の言葉を選ぶでしょう。なので、トットリの話し方は素と思われます。
■高崎駅前を歩いていたら、コンサートホールに人が大勢いました。落ち着いた年齢の方々が集まっていたので何事かと見たら、第九を演奏するのだそうです。自分は時間がなかったのと、C席でもかかる3,000円と言う席料が払えないので聞かずに帰って来ました。
第九は、年末のテレビやエヴァで聞いた事があるはずなのですが、音楽を聞いても覚えられないので、聞いても「第九だ」と分からないかもしれません。癒されたいと思ってクラシックにかぶりついた時期もありましたが、それきりでした。
■ドン・キホーテは高校生の頃から何回か読みました。前後編合わせて長い物語なので、読み終える頃には冒頭のテンションを忘れていたりします。前編こそ、ハイテンションナイスミドルのドン・キホーテの大舞台なのですが、ところどころに入っている短編小説のボリュームもあり、彼のドタバタの印象が薄めになっています。
ならば後編はと言うと、ドン・キホーテの狂気の減速が痛々しく、やはり読んでいて、世間でいうコメディのイメージを余り感じません。騎士道に目覚めて、普通の生活を投げ出し、甲冑を着込んで馬に乗って家族や友人の制止も聞かないで荒野に行ってしまうなんて、若者ならいざ知らず、ドン・キホーテというかキハーノ氏はいい年です。
夢見る中年、しかも蓄積された学識や財産を注ぎ込んでの遍歴なので、誰の手にも負えません。何とか地元の友人が遍歴の旅をやめさせてくれますが、旅の帰路でも「牧人になろう」とファンタジーな事をつぶやいています。
若者が夢から覚めて家に帰るのは、まだ読んでいる方も傷つきませんが、キハーノ氏の年齢と衰弱ぶりを思うと、手遅れと言う感じがします。実際旅から帰ったドン・キホーテは亡くなります。
狂気というとルーザー様を思います。彼は夢から覚めたのでしょうか。「兄への敬服はただの自己満足、弟への献身はただの自己愛。自分は自分で生きよう」などとルーザー様は思いますまい。「兄さん、サービス、ハーレム、すまなかった」と言う謝罪の思いしか、ルーザー様は末期でも抱かなかったと思います。
ルーザー様はドン・キホーテの様に気高く、滑稽でした。ルーザー様は兄弟からの愛なくしては生きていかれない人でしたが、兄弟はルーザー様がいなくても結構平気なのに。 |
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