madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2015年12月21日 の日記 ......
■ 狂気の終わり   [ NO. 2015122101-1 ]
■キンちゃんが住むだろう、青の一族所有のお屋敷にはプールもシアターもあるんだろうなと、ふと思いました。ハリウッドの豪邸の様ですが、庶民の高松と幼少期を過ごしたらしいグンマは馴染めるんでしょうか。豪邸のイメージが沸きませんが、大学キャンパス、運動場含めて一個全部くらいなのかも。英国貴族になると「家」が近隣の山岳まで全部とかになるらしいです。

シンタローは富裕層の生活を送っていただろうに、自分の居場所だと思えなかったのか、ミヤギ達と普通に近い暮らしをする方を好んでいるのかなと思います。あくまでシンタローの好みの問題で、本当に普通か普通未満の生活を送っている人は、富裕層に憧れそうです。恵まれまくっているのに庶民ぶるシンタローに、ギラギラしている初期のアラシヤマが好きです。

キンちゃんもアメリカの金持ちみたいな生活が基本だと思いますが、高松のワンルームや六畳の書斎、田舎の公立校みたいな科学室に紛れ込もうとして、庶民の物真似などなさいますな、と高松に怒られていそうです。三回に二回くらいは、高松のエリアへの侵入に成功するだろうキンちゃん。



■どうにも足の親指が痛いので、皮膚科に行って来ました。巻き爪、陥入爪等の情報をネットで仕入れた後での受診でしたが、やはり先生の見立てに従いました。先生から針金も切れそうなニッパーで、両足の爪の脇の肉に食い込んでいる所を切ってもらいました。

自分の足なんて自分で思う様切れない訳で、気分はヒヅメを切ってもらう馬でしたが、自分の知っている厩舎の馬達は大変丁寧に健康管理をされていて、巻き爪に頭を悩ます馬はいなかろうと思います。




■ドン・キホーテを前後編読み終えました。前編の長い挿話の辺りは読んでいてだれないとも言えないと言うか、セルバンテスらしい洒脱さを楽しむ感じですが、後編のドン・キホーテの目の覚め方を読むと、背筋が伸びる思いです。

ドン・キホーテには妻子もなく、思い姫と言われるドゥルシネーアは結局彼の前に現れませんでした。ドン・キホーテの狂気の始まりが、しがない郷士の生活から、一気に騎士に成り上がり、広大な領地に莫大な財産、美しい姫との婚姻を夢見ての事なら、夢が消えた彼の衰弱は分かる気がします。

ドン・キホーテの狂気の始まりは騎士物語です。ですが、何故騎士物語を読むと狂うのかは定かではありません。郷士で騎士道に憧れる初老の男性は、彼の外にもいた事でしょう。




ドン・キホーテと言うか、アロンソ・キハーノ氏の中に、一攫千金・酒池肉林の夢がなくはなかったという事なのかもしれません。本当に財産に興味がなかったら、戦功を立てて国王に取り立ててもらう夢は見ないでしょうし、色恋に興味がないなら、可愛い侍女や宿屋の女性と自分がどうこうなるという発想自体起きないはずです。

全く普通の独身男性、善人のキハーノ氏の鬱屈した夢の解放が、騎士ドン・キホーテへの変身だったのかもしれません。古ぼけた甲冑を着てロシナンテにまたがり、サンチョを島の太守にするとホラを吹きながら遍歴しているうちは、夢が叶う気がしても。

銀月の騎士に負け、騎士としての敗北、敗北を受け入れなければ騎士の決闘たり得ず、敗北を認めれば待つのは普通の郷士の生活です。狂っていても誠実な人なので、キハーナ氏は銀月の騎士との約束に従い、村に帰ります。待っていたのは干からびた現実だけだった、という事でしょうか。

セルバンテスの作品なので、主人が亡くなってもサンチョが後を追う事は無く、家政婦と姪が彼の死のショックで健康を害す事もなく、物語は終わります。基本的に滑稽小説なのに、自分勝手な夢を見た男の終幕は他人事でなく思えます。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: