madeingermany

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...... 2016年02月24日 の日記 ......
■ 帰らない   [ NO. 2016022401-1 ]
■原稿と既刊を見返すと、結構だぶる部分が出て来ました。「高松の涙」「キンちゃんの熟睡」「ルーザー様の愛情表現」が多く出て来ます。

原稿と既刊の「キンちゃんの熟睡」の例

・マジック推奨の伊豆の宿で、お目覚めキンちゃん
・疲れて起きられないと、巨大植物でグルグル巻きにされて、総帥室まで運ばれるキンちゃん
・起床時に高松に希望のお召し物を聞かれ、父と同じ服をリクエストするキンちゃん
・見るからに疲労が蓄積され、ドクターストップがかかって寝かされるキンちゃん
・朝食はうどん 


劇中の寝てない感じが哀れだったので、自分の本のキンちゃんは医者の管理の下よく寝ます。




■心の整理でいくつか書きます。

・ナウシカは全人物ナウシカ党になっていくというか、カリスマヒロインの物語です。ナウシカ化の一例はクシャナでしょうか。クシャナだって、母の服毒、兄との齟齬、義父の圧政と嫌な事ばかりですが、ナウシカと出会う前にも研鑽していた気がします。優しさがないとかは、別枠の要素じゃないかなと思います。

ナウシカとクシャナの違いは、ナウシカは母の愛を知らなくて、クシャナは知っている事かなと思います。ナウシカはコスモポリタンで、クシャナは「トルメキア」の白い魔女です。何だかんだ言ってクールなナウシカと、帝国を背負う殿下にあるのは、生い立ちと性格の差異かなと。



・ナウシカは映画では戦闘がひと段落すると谷に帰ります。アニメらしい終わり方と言うか、冒頭でナウシカの辛いけど懸命な谷の暮らしが描かれたのだから、いい終わり方だったと思います。

原作のナウシカは谷に帰りません。森の人の方で暮らすらしいですが、すごく時間が経って谷に帰ったとか聞きます。ナウシカが破壊した墓所は、現在のナウシカ達には醜悪で不要なものですが、過去の人達とその人達が描いたみたいには不可欠なものでした。

どのみち何千年も経って腐海が世界中を浄化したら、ナウシカ達の子孫は全滅です。綺麗な土と空気には、ナウシカの子孫も巨大虫も住めません。自分に用がないから破壊したというより、墓所があると墓所のパワーでまた余計な戦争が起きるから壊したのでしょうか。



ともあれ、ナウシカは谷に帰りませんでした。映画では博愛の権化のようなナウシカですが、母に愛されなかったというコンプレックスが漫画では語られました。母に愛されず、谷では族長の娘として奮闘していたけれど、寂しかったのでしょう。

そんなナウシカが取った行動は。目覚めたばかりの巨神兵オーマの母代わりになる事でした。オーマを愛するというより、母親の顔をする事でオーマの力を制御していました。谷でのナウシカの立場そのものというか、もしナウシカが健康で強く賢い娘でなかったら、ジルも谷の皆の納得しなかったでしょう。

ナウシカは徹底してオーマを利用します。オーマの発する放射能でテトは死亡、ナウシカも病みます。まるでナウシカ他多数の子供を産んで、抜け殻に様になってしまったナウシカの母の様です。



どこにも痛めつけられた姿しかないというか、愛する事と自分が傷つく事が一体なんだろうなと思います。オーマが倒れ、ナウシカは自分の「育児」を終えます。死んでいくオーマの功績をたたえるナウシカですが、本当はオーマを愛してはいなかったでしょう。

愛されない自分。自分の過ごした谷にナウシカがすぐ帰らないのは分かる気がします。どこか遠くで「母と子」の関係をやり直して、癒されたら、すっかり世代交代して一新された谷に帰ってくるのかもしれません。

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