■もしライオンパパが生きていたら、と言う妄想です。ルーザー様はただのファザコンでブラコン、ガンマ団の経営に直接関与しない、気楽な生活だったでしょうか。
ルーザー様は気楽な学者生活だとしても、父親が幼年兵が恐らく自殺覚悟で発砲してくるくらい、恨み抜かれた一家なので、そんなに甘くないと思いますが。
そう思うと、やはりコタは物語のキーであるべき子だったと思います。ガンマ団、青の一族の重ねた罪の上に生まれた子がコタであり、強力な秘石眼と好戦的な性格は実に輝いています。
原作者はいつも肝心な事を書かない、ギャグで流す、ホモネタで茶化す等やらかしますが、コタに対しては「登場させない」という対応です。コタについては、ルザ高以上にこちらで勝手に推測を積み上げるしかありません。
マジックがコタ・グンマよりシンタローを愛するのは、シンタローが何も持たないから、純粋だからとか言われますが。純粋と言う言葉ほど自己責任な言葉はなく、ミツヤもコタもルーザー様も、皆ピュアで努力家で、何も与えられなかった人達だと思います。
マジックはシンタローが生まれる前、シンタローに似た人が好きだったのでしょう。高松がキンちゃんを溺愛するのは、好きな人に似ているからです。パパが生きていたらルーザー様はますます高松に見向きもしなかったかもしれませんが、高松はルーザー様を慕ったかもしれません。
■昔連載時に天ないを途中で読まなくなったのは、多分翠と晃の行き違いが出て来た時です。行き違いと言っても。
・翠が言うように、「付き合おう」「好きだ」と晃は連載前半では言っていない。甘いセリフは言えないとの本人との談だし、晃は行動で示す方の男なので、何考えているか分からないとか、全然人の事考えないとか思っても、最後まで付き合わないと分からない人だと思う。
・でも翠は「アタシは晃にとって、唯一絶対のオンナの子」「アタシは天使」「アタシは彼女同然」「晃にはアタシ」と、連載前半で公言しているも同然。
・そんな翠のよく言えば朗らかな面をいいと思うから、晃は嫌味や文句は言おうとも、翠を大事にしたのだと思う。
翠の心の中では、晃の中の全ての女性より、自分が優先されないと気がすまなくなっている。それは恋愛するものの特権で、若い娘さんらしいよいアクションだ。
・晃の中の全ての女性で、ダントツに特別なのは母親と広子だと思う。ママと妹が大事というのは翠とて受け入れるだろうけど、幸せ一杯に育った翠には、「家族を求める」晃の気持ちが分からない。
将志を一人にしないでという晃には、将志が会っていない父親や、孤独な自分自身に重なって見えるのかもしれない。異国に一人で行ってしまう将志と、知らない男性と見合いする博子の別離は、今尚孤独な自分を更に引き裂く恐怖であって、両親と平穏無事に暮らしている翠と北海道に行っているバヤイではない。
翠には北海道はただのお泊りデートだけど、晃には失った「家族」を投影した将志・博子との思い出の旅行をなぞる行為なので、古傷も新しい傷も再度血を吹き出す可能性があった。
・翠の中では、マキちゃんであろうが誰であろうが、晃を奪う事は許されなくなっている。晃にとって第二の母親の様な博子と、付き合って数か月の自分を一緒の土俵に置いている。
将志・博子・晃の関係が落ち着くのを、翠は待てない。晃の逃亡は自分に味噌をつけられた様なものだろう。だから麻宮は翠に自分の恋や進路のことは基本的に相談しないのかもしれない。
オンナとしての自分にケチをつけられた翠の行き着く先は、自分に片思いしていると言うケンの所だった。自分を愛し、崇拝してくれる男の所へ行くのは気持ちよかっただろう。
男なら誰でもいいんだという軽さに取られ、トイレで翠は学校の子から水をかけられるけど、それくらいでは彼女の快進撃は止らなかった。 |
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