■ライオンパパが生きていても、高松はルーザー様と出会いそうだと思いました。でもマジックによる粛清が起きず、ガンマ団は比較的人材豊富だろうから、ルーザー様が焦って一族外の人間を募集したり、実子を欲しがったりしないだろうと思います。
ルーザー様に学者生活を送らせてあげたかったと言うか、パパがいた時でも、小鳥を握りつぶしていたルーザー様なので、いつか家族と決定的な亀裂を迎えるのかもしれません。よかれと思ってしていたあらゆる事が、家族から嫌悪される日が来るのでしょう。
劇中でルーザー様を捨てたのはマジックなので、高松の報復の相手はマジックです。マジックはシンタローにしか関心がない事もあり、高松を罰する手間を惜しみましたが。
ライオンパパがルーザー様を捨てた場合、彼は報復をどう受けるのでしょうか。団内では優しいというパパなので、ルーザー様が何か行き過ぎたとしても、高松を監視役か何かにして曖昧にしてくれないでしょうか。
■NANAがアニメや映画、ゲームやCDになり一大ブームになって10年以上経つのでしょうか。アニメは見ていませんが、映画は二作とも劇場で見ました。
NANAは未完ですが、NANA以外の矢沢あいの漫画を読むと、NANAは巻数も登場人物も格段に多く、テーマも広範囲にわたります。グッと描きたい所だけピックアップして、キャラ達の長い人生のほんの一部だけ作品にした方の漫画が、矢沢あいには多い気がします。
何故少女漫画では、ヒロイン達が就職ないし、結婚、出産した後の話が書かれないか。ヒロインの娘や妹が二代目の主役として続編がある場合は別ですが、就職・結婚・出産をテーマとして扱ってしまうと、少女漫画ではなくなるからかなと思います。
NANAの場合、ほとんどの登場人物が冒頭から成人・就職しているので、もう少女漫画の域を越えている気がします。ご近所物語でも、夢に突進するヒロインの姿がメインで、就職・結婚した後の実果子の姿は主にチョイ出しです。NANAはなんて難しいテーマを負ったんだと思います。
NANAは未完ですが、ここまでキャラ達の人生に切り込んだ作品になったのだから、自分は納得しています。
■少し前の朝刊の紙面にジャムの広告が載っていて、余りに綺麗で美味しそうだったので、近所のスーパーでそのジャムを買いました。大きな会社の製品なので、群馬でも買えます。
店内の売り場で、透明で丈夫そうな瓶に入ったジャムを眺めていたら、漱石になった気分になりました。漱石と言えばジャムです。ジャムの外にも、洋菓子和菓子水菓子問わず甘いものを漱石は盛んに食べていました。
胃が悪く、体調を崩しやすい癇癪持ちの漱石がそんなに糖分ばかり取っていたら大変ですが、漱石は医者や鏡子さんの制止を聞かないで、子供のお菓子を奪ってまで食べていたそうです。
漱石の子供達は、皆父の漱石を恐れていたそうですが、鏡子さんがくれたお菓子を、目ざとく漱石に見つけられ、目の前で?ムシャムシャ食べられる気持ちを想像すると悲しくなります。
食道楽と言うと、荷風と谷崎もそうです。荷風はもともと大金持ちで、渡航した際もいいものばかり食べていただろうから必然でしょう。谷崎は零落した経験があり、美味しい物を食べる事で、まだ見ぬ異国を想像している様なので、文学世界を作るのに、谷崎には美味しい食べ物が必要だったのでしょう。
漱石の場合、生まれも文学作品も、食道楽という感じはしません。苦沙味先生や三四郎もよく食べる人達ですが、味わうとかでなく、ドカ食いしているイメージです。小さい頃思う存分、優しい気持ちで美味しい物を食べて来なかった反動なのかな、と漱石について思います。
幼い漱石だって何かしらは食べていたと思いますが、義父と義父の愛人とお汁粉だったかを食べ、義母に経緯を吐かされたくらいです。どんなに美味しい物でも、ガツガツと食べざるを得ないでしょう。安心して食べられないから、詰め込み・早食いになるのでは。
内田先生なんて食道楽というより、幼少期、深夜祖母をシュークリームを買いに文房具屋に行かせた様に、美味いものをひたすら食う様に生まれた人に思えます。阿房列車でも、好きな時に好きなものを食べていました。 |
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