■山奥に住んでいるので、天候や季節を山の色を見て感じます。アンパンマンのパン工場の様に、青い山と白い残雪を見て暮らしています。
高校卒業後、群馬を離れないと自分のしたい勉強が出来ない事を知った時、どこへ行こうと思いました。都心では山が見えません。選んだのは京都で、比叡山や衣笠山を見て過ごしました。
東京もかつては崖や谷、池、沼の多い地形だったそうです。荷風の家は確か崖の上にあって、見晴らしがよかったと聞きます。今六本木界隈に行っても、坂道にぎっしり店舗があってよく分かりません。
都心で自然が多い場所と言うと、公園や神社になるでしょうか。もし高校生の自分が新宿御苑を知っていたら、関西まで進学しなかったかもしれません。それ程、新宿御苑は広々として桜が綺麗でした。
■アラシヤマが、常に人の温もりに飢えているのはよく分かります。師匠のマーカーや、恋い慕ってくれるウマ子ちゃんがいるのに、そこまで人恋しさを募らせなくてもいいと思いますが、アラシヤマが欲しいのが「友情」である以上、彼の彷徨は続くのかもしれません。
アラシヤマが普通にさえしていられれば、シンタローと友達になれたかもしれません。引っ込み思案とか、大人しいだけなら、シンタローはひどく邪険にはしなかったと思います。
初登校した日、皆友達を作って楽しそうにランチをしているなか、寂しくしていたら、アラシヤマはシンタローに声をかけてもらえました。
シンタローはマジックの息子である事を隠していないでしょうし、総帥の息子だから、クラス全員と親しくしなければならないと、意気込んでいた訳ではなかったと思います。田中角栄の様に、シンタローは周囲の人の名前を憶え、天性のカリスマを発揮し出したのでしょう。
アラシヤマだってマーカーの厳しい訓練を越えてここまで来たのだから、もう少し堂々としていられればいいんですが。周囲の新入生を田舎者、アホだの言うから、余計自分も追い詰められてしまう訳で。
シンタローに、鬱屈した自己愛を投影して感情を高めて、発火と言う結果になりましたが。発火しなかったとしても、シンタローはアラシヤマの普通でない所をすぐに見つけてしまうでしょう。
アラシヤマがどうすれば失敗しなかったか、私も分かりません。ただ、シンタローやマジックは、ベタベタされるのが好きでない方なのかなと思います。マジック程頂点に立ってしまうと大抵の求愛をかわすでしょうが、プライベートにまで踏み込んで愛を捧げられると激怒すると思います。
アラシヤマはシンタローと、あくまで同期としてさりげなく付き合えば、友人になれたろうと思います。でもアラシヤマは友人に尽くしたい、愛されたい願望をむき出しにしがちなので、やっぱり上手くいなかったかもしれません。
好かれたい、愛されたい欲求は誰にだってあると思いますが、アラシヤマ程ストレートに表に出す人は稀有というか、その分仕事では十分挽回していると思います。PAPUWAでシンタローはアラシヤマに「友達だ」と言って辛い事をさせまくりますが、シンタローの選択があながち的外れでないのが怖いです。 |
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