madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2016年06月09日 の日記 ......
■ 革ジャン   [ NO. 2016060901-1 ]

■温泉について掲載している雑誌や書籍を見ると。「日本人の心」「古き良き日本の温泉」「日本人が愛する」みたいなアオリが書かれています。

嘘偽りないキャッチコピーですが、今でも温泉旅行にそれなりの行き届いたサービスを望めば安くありません。地域の温泉というものもありますが、高度成長期とバブルの遺産で、大規模ホテルなども健在です。

日本人の心とは高額なもの、出銭に耐えられない自分は温泉好きでも日本人でもないのかと落ち込みます。ある別の書籍で「江戸時代、草津・有馬への湯治は庶民には大変高額だったはずである。農民でも成功して裕福な層でないと、一カ月余りの湯治には行けない」という文章を読んで安心しました。

実にその通りで、「日本古来の温泉場、湯治場」と言えども土着でないなら。電車も自家用車もない時代なので遠路を歩く健脚を持ち、現代で言えば100万円以上の現金を携え、炊事や身辺警護のための召使を連れ、仕事から一カ月も離れて風呂に行ける人種はやはり特別だったと思います。

現在の比較的安価な日帰り温泉を恥じる事なく、明日行って来ようと思います。




■学生の頃、勉強は心のお洒落だとか教師が言っていたと思います。化粧や衣類にうつつを抜かさず、勉強に励み偏差値の高い学校に進学して、母校の名を上げて欲しいと言う要請だったと思いますが、その言葉を頭から信じ込んだ女子高生一人の命運まで、学校が保証しない事にもっと早く気が付くべきでした。

あくまで趣味である同人活動においても、自分のダサさがにじみ出て泣きそうです。



■昔からコンプレックスの多い人間ですが、劣等感ダントツは外見でした。自分に優しくするために過去形で言いますが、虫歯、鼻血(ある時期毎朝洗面器が朱に染まった)、ひどい耳垢、ニキビ、肌荒れ、贅肉、髪形、体毛、体臭、視力他五体で悩まなかった個所は恐らくないと思います。

そういう悩みは家族や親類に相談しても、子供の言う事だし、身内の姿かたちなんて見慣れているので、相手にされません。当時はドラッグストア、コンビニなど山岳地帯にあるはずなく、テレビの可愛いアイドル達が宇宙人に見えました。否、群馬における異星人は竹淵だと思いました。自分に優しくするために、あえて過去形で言います。



余りに美容他の素養がなく、当然お洒落な年頃のクラスメイトに馬鹿にされます。アドバイスをくれる人がいても、もらったアドバイスを生かせないくらい、泥まみれである事はなかなか分かってもらえません。「竹淵さんはお洒落に関心がない」と思われ、ますます女性のイデアから遠い少女になりました。

部活のお友達からカラオケに誘われても、制服と体育着以外に着る服と言えば、下着とパジャマと野良着です。ここでカラオケのお誘いを断れば、「真面目なだけでダサい竹淵さん」が、「真面目なだけでダサくてノリの悪い竹淵さん」に急落し、明日から学校に行けない、行ってももうお友達扱いすらされまいと思い、何を着て行けばいいか悩み、家族の前で煩悶を口にしました。

家族が持ってきたのは、黒い革ジャンでした。当時は最先端だったのかもしれませんし、今でも着こなせる人はいると思います。10代前半の少女が着るには今も昔もハードな服です。散々悩んだ外見へのコンプレックスの終点がカラ松ガールであったとは、一周回って何だか楽しいです。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: