madeingermany

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...... 2016年07月14日 の日記 ......
■ 情熱   [ NO. 2016071401-1 ]

■堀辰雄の風立ちぬ、菜穂子を読み終えたので図書館に返して来ました。こんな世界もあったのだと思いました。ジブリの方も見ましたが、ジブリも背景や自然の美しさで圧倒してくる方だと思います。風立ちぬ、菜穂子に零戦の開発と言う異色の要素を足しても、違和感がないのは流石としか言えません。

映画の方を見て、ジブリで母親的なキャラがいないのを珍しく思いました。魔女宅のおソノさん、トトロのおばあちゃん、ラピュタのドーラと、健やかなヒロイン少女と母性キャラという組み合わせが多かったと思います。

いつ監督が、母性へのファンタジーを抱くのを止めたのかと思います。ジブリの母役と言えば島本さんで、セリフは少ないもののキキの母役が好きでした。もののけ姫のトキも、汗だくで働く一介の女性であり、可憐さもある素敵なお芝居だったと思います。



監督のメッセージはいつもシンプルに見えて、実は理解も実行も困難過ぎると思いました。漫画版ナウシカも、本当に世界の調和を思うなら墓所の言う事を聞いてもよかったし、ナウシカが結局現状維持を選ぶことしか出来なかったのが監督の思想の複雑さを物語っていた気がします。

ナウシカは墓所と出会ったから判断、選択出来たけど、圧倒的大多数の人は「現状維持」しか選びようがないでしょう。ナウシカを慕う人達のなかに、墓所に賛成する人がいたらどうするんでしょう。ナウシカは墓所の秘密を、皆に話していなかったと思いましたが。

・・・当時のアニメージュ、宗教の域まで登り詰めたナウシカの横で、本来「お気楽な娯楽的少年冒険スペースファンタジー」枠だったチャン5が掲載されていました。



■以下はグンマと高松の雑感です。


・高松と言えば情熱的な人である。恐らく、若くして平和な香川を飛び出して暗殺者集団に参加したのは、周囲の事情もあったと思うけど、加入後ルーザー様に心酔したのは彼の意志だったと思う。

ルーザー様への傾倒が彼の代名詞であり、高松を後戻りできなくさせた唯一の理由だったと思う。ルーザー様がいるから頑張れたと言うか、頑張らないとルーザー様に首にされそうというプレッシャーは高松を強くしてしまった。

この辺の高松の後天的な性格は、キンちゃんにも受け継がれたと思う。ルーザー様からセレブ&ブラコン要素を取り外した様なのが高松なので、キンちゃんは間接的に父親のやり方を日々学んだと言える。




・何故グンマが公式であまり仕事していない様に描かれるのか、ここで分かる気がした。シンタローがパプワ島にいた頃、グンマは高松と一緒だった。子供っぽいシンタローへのライバル心や、遊び心一杯の発明等も、グンマの誇りであり、高松もグンマを見守っていたと思う。

遅すぎる高松への反抗期を迎えたグンマはどうしたか。今まで情熱を高松と共有していた科学や、日々の生活が憎くなったかもしれない。とはいえ、ドクターがグンマに関わっていた範囲はえらく広い。グンマは右を向こうが左を向こうが、高松の残骸に出会う。




となれば、「右も左も向かない」事がグンマに残された選択肢になる。どうせ仕事はロマンチストで新進気鋭のシンタローとキンタローが采配を振るう訳だし、変に目立っても、おかしな勢力の看板にされて死亡なんてのも十分考えられる。

かくして通称「バカ息子」の誕生だったのかもしれない。バカ息子でも不幸と言うことは無く、目覚めないコタへ夢見る事もある。しかしながら、コタの容体に一番詳しいのはドクター高松であり、グンマの八方ふさがりは続くのかな。

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