madeingermany

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...... 2016年08月30日 の日記 ......
■ 紀行文   [ NO. 2016083001-1 ]

■ルーザー様がどんな子供だったろうと考えていました。素晴らしく聡明で、運動も出来て、家族思いの真面目な子だったのは疑いないです。ですが。


・聡明と言うか。思考が点から点に飛ぶので、普通に接していても何を考えているのか分かりにくい。高松はギリギリルーザー様の思考の点と点の間を読もうとするので、置いて行かれても噛り付いて行く。


・運動神経はよかったと思う。ただし最早スポーツではなく、軍事訓練か何かのていだったろうと思う。ルーザー様もハレの様に、父や親類達の様な軍人を目指していたと思う。早熟に過ぎると言うか、レイピアを持ったルーザー様には、マジックですら恐怖したのではないかと思う。

・そんなルーザー様に、一生懸命高松がついていく姿を、マジックは見ていたのかもしれないと思う。「弟が徒党を組んで自分に反逆を企んでいる」くらいの深読みはしたと思うけど、高松はルーザー様へ恋愛脳丸出しで接していたと思うから、ある意味命拾いしている。



ルーザー様が家族思いだった事は疑いなくとも、マジックには可愛がりにくい弟だったろうと思います。笑っていれば綺麗すぎて怖く、黙っていれば何を考えているか見えなくて怖かったでしょう。

キンちゃんにとっての高松ではないですが、温かい素直な内面を周囲に伝えてくれる代弁者が、ルーザー様にはいなかっただろうかと思います。行動ありきのルーザー様を高松も愛したと思いますが、ルーザー様の轍をキンちゃんには踏ませまいと高松はしています。



■温泉について触れようと思って本を探すと。本を漁るのが図書館なので、「温泉偽装問題の闇」とか、「全国温泉名鑑」等の本を見つけました。読めるだけ読みましたが、そう言う本なので「この温泉はここが気持ちいい」という内容は書いてありません。

温泉は温泉によって、温度や泉質がまちまちです。季節や、旅館が繁忙期かどうかでも違いますし、同じ源泉なのにホテルの雰囲気で違って感じたりするので、行かないと分からないのが本当かもしれません。ある温泉に行った時、楽しんで帰った後ネットを見ていたら、「寂れている」というコメントばかり見つけてしまい、悲しくなった事もあります。



温泉が寂れると言うか。元来、重い病気の人が最後の手段でお湯に入りに来たり、源泉の近所の人達が共同で利用するために風呂場を作ったとか、そんなに儲かるものでもない気がします。

真田丸で人気の小松姫も、重病のため草津温泉に向かう途中に亡くなってしまったと言います。温泉で遊ぼう、騒ごう、お金を使おう・使ってもらおうというのは、戦後の考えじゃないかなと思いました。




故に明治期の紀行文はシックというか。都会のお偉い文人がド田舎に悠然と来て、ひなびた風情を味わいながら、健康を回復する様な感じで書かれている気がします。明暗の津田ではないですが、病院への入院が一般的ではなかった頃は、わらにもすがる思いで温泉に来た人が多かったのだろうと思います。

それでも紀行文なので、読んでいて楽しいです。楽しい事しか書かれないのが紀行文、明治期の電車事情を考えると、振動や機械そのものが耐え難い、集団で電車に乗せられるのが嫌だという文人も、どういう訳か草津・伊香保・磯部に来てくれます。

治療目的なら、来る方も楽じゃないと思いますが、気持ちよくなって帰ってもらいたいものです。書いたのはとっくに故人になった人達なのに、読んでいると自分が彼等をお出迎えしている様な興奮を覚えます。

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