 ■おそ松さんを貫いているのは、トド松がよく言う「自分達は底辺」という認識なのかなと思います。2話で就職出来ない自分達の「ダメ」ぶりを描き、最終話でトト子ちゃんの全裸をしても彼等は敗北を喫しました。根性物のアニメでもないし、青春ものというには、ごつくてむさい空気なので全然いいです。
ただ彼等は東京人です。十四松の彼女は恐らく東北出身です。スタバに来た5人の兄のコスの中にも北方なまりを意識したのがありました。つまり、六つ子は都民である以上、下には他県出身者が控えているとも言えます。おそ松達は都民だからさまざまな娯楽がありますが、地方に住めば娯楽一個手に入れるにも困難な時があります。
おそ松達が「底辺」である理由は時々描かれていましたが、少なくとも「親のせい」「生まれ」ではないだろうと思われます(彼等が六つ子である特殊な事情は除いて)。トト子が同級生に嫉妬した時も、相談に乗った親御さんは至って普通の対応でした。
20歳以上になって自分が「底辺」であるのは親のせいだと口にしたら、そもそもいかがなものかと思いますが。おそ松は兄弟を責める事はあっても、親や生まれには左程刃を向けないのが印象的でした。
■しつこいのですが反抗期の話です。恐らく反抗期が収まるのは、親の偉大さを知った時かもしれません。社会に出たとか、人生の困難な面に出会った時、自分を支えていてくれた偉大なる父の姿を思い、涙するとか。
シンタローみたいです。2人でそんな話しないと思いますが、新生ガンマ団発足後、シンタロー総帥はマジックを見直し、キンちゃんは高松がただの口うるさいママではなかったのを知るのかもしれません。
自分は一回は群馬を出ました。大学進学のためだったので、資金は全て父に出してもらいました。ならばアルバイトでもしようと思ったのですが、我が家は何故かアルバイト厳禁でした。「必要な物は父が選定したのち買う」という精神の家でした。
大学進学、関西での一人暮らしと言う巨額を、父は負担してくれました。感謝し、マジックの跡を清い手で継いでくれたシンタローの様に自分は父を崇拝すべきでした。しかし私は不孝な事に、進学等の費用が自分のローンの様に思えました。
自分の反抗期は、この全ての負債を終えた時だろうと思います。私に家庭でもあれば次代に尽くす事もいいと思いますが、今感じるのは、兎角耐えられないくらい重い借金の重圧です。
■先日からの反抗期の話ですが。コタローはマジックに反抗期を向けたことは無いんじゃないかなと思います。もちろんシンタローにも反抗期なんてした事ないでしょう。マジックに反抗すれば死か幽閉が待っていますし、シンタローの激しい愛し方は、結構な脅威ではないかと思います。
サビと言う永遠の「青年」としばらく一緒にいたせいもあったかもしれませんが、コタは「大人にならなきゃ」と早々に思ったのかなと思います。ハレの側にいれば何らかの仕事があるでしょうし、お勉強はキンちゃんと出来ます。わずかでもパプワと言う友達と過ごした時間を胸に、コタが成長するのを自分は見守りたいです。
■人間ドックで再検査になったので、先日病院に行って来ました。検尿とエコーで、腎臓に一センチの良性腫瘍があると分かり、来年また泌尿器科に行く事になりました。人間ドックを毎年受ければいいのかなと思いますが、眼科、耳鼻科、歯科、皮膚科、婦人科はお馴染みの医院があっても、そういえば泌尿器の外来と言うと未知です。
腫瘍でも良性なので、余り深く考えない様にします。腎臓と言えば、細雪中巻で出てくる、おさく師匠が腎臓病だったと思います。青くむくんだ顔で、蘆屋の幸子達の家まで、大阪の南海電鉄の方から暑い中稽古に来てくれていた女性です。
細雪でも特にのどかで、文化的で好きな場面です。中巻でクローズアップされるのは妙子の溌剌とした人生ですか、その裏の顔というか、数々の不幸、失敗、病気、死が多い巻でもあります。
後になって思うと妙子は。板倉と奥畑の両方と関係を持ち、2人のお金や献身を好きに貢がせ、幸子達には「女芸術家」の顔をしていたという事になります。中巻の段階では、下巻の露悪的な部分は考えられていなかったのではと自分は思います。 |
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