■温泉というファンタジーに浸かりたいです。お湯の温度、泉質、風呂場の雰囲気とあれこれ魅力があるのが温泉ですが、楽しませる一つの要素は温泉のもつ幻想だろうと思います。入れば健康になる、楽しい、温まる、これぞ日本人、日本に生まれてよかった、山国にもいい所があるじゃないと頭のなかにバーッとファンタジーが沸きます。
気を付けた方がいいのは湯冷め、合わないお湯に入った時の肌ダメージ等ですが、やはり温泉に行きたいです。先日出かけた姫川温泉も、初めて出かけた土地である事の緊張、真っ暗ななかのチェックインと余裕がないままの逗留でしたが、今ならゆったりと楽しめそうです。
■藤村の春を読み終えました。青春群像と言うには点描的で、恋愛を扱ったにしては冷めていたと思います。岸本は苦痛、苦悩を訴えますが、家族も友達もなすすべがありません。だって彼は反抗期みたいなものだから。
更に不明なのは青木でしょう。幼い娘をいじめ、老母を心痛に追い込み、妻に「キ(略)だ」と言わしめた男です。青木の骨を拾う様に、岸本は彼の遺稿をどうかしたようですが、特に熱い感情が互いにあったとは思えません。登場人物が自死に至ったのだから、もう少し悲しそうな文章にしないのは何故だと思いました。
文章が淡々としている作家は多いですが、藤村の場合、男というものの悪い面を見てしまった気がしました。男に生まれたから、父母も妻も子供も無視して、何でも好きな事が出来るんだと言う傲岸さとも言えそうです。
世界は男の玩弄物ではないと言うか。父母も息子に愚かでいて欲しい訳はなく、妻は諸般の事情でやむを得ず結婚したに過ぎず、子供に至っては父を選んで生まれる訳ありません。自分の周囲を勝手に敵視して、自分を英雄か何かの様にイメージして破綻するのはやめませんか。
■デスノートを読んでいます。巻数はそんなにないですが、内容が詰め込んであるので、急いでは読めません。ちょっと分からなくなると休んだり、引き返して読み直したりします。
でも正解と言うか、情報量が多いだけで、話の道筋はハッキリ見えます。普通ならL、ニアの方が主人公なんじゃないかと思います。自分は漫画を少しかじって、その後映画を見て、最後までちゃんと読んでいなかったので、いい機会が出来て嬉しいです。
メロの苛烈さが好きです。やっている事は肯定してあげられないけど、高度な頭脳は、頭脳の持ち主に突飛な行動をさせないものだから、彼の様な感情を見せてくれるキャラは劇中で貴重かもしれません。
■デスノートを読んでいます。いろんな価値観のキャラがいて、どのキャラから見ても面白い話だなと思います。死神もミサには優しかったレム、傍観のリューク、ちょっと抜けているシドウと多彩です。
レムの頭の回転がLや月の思考についていけるくらい早かったのは、彼女が死神だったからではなく、彼女の頭脳故だったのだと思いました。レムはあれほどミサが幸せに生きる事を願ったのに、ミサはレムの死後、大量殺人を続けています。
月に騙され利用され、仕事も人間関係も大破して、ミサは幸福なのかと疑います。でもレムが言うとおり、月に従うのが彼女の幸福なら致し方ありません。月がキラ捜査のふりをしている間、ミサが寿命を半分の半分にしてまで手に入れた死神の目で殺人を続けているのを読むと、寒気がします。
かなり客観的に積み上げられた話だから、特定の誰かに入れ込んで読むと辛そうです。キャラの大体はノートで殺されるか、月に利用されているかじゃないかなと思います。亡くならないまでも、「こいつはいつ殺すといいのか」なんて考えられながらはお付き合いしたくないものです。 |
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