madeingermany

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...... 2016年10月30日 の日記 ......
■ 喉   [ NO. 2016103001-1 ]

■南国でもPAPUWAでも、一向に語られないのがシンタローと家族の問題ですが。シンタローはコタを守ってあげたいと念じながら、愛情はコタを虐待している父、コタとは他人であるパプワにあります。

コタにすれば。虐待してくる父親と結託し、「親父は良かれと思ったんだ」と言いそうなシンタローに、心を許す事はなかったと思います。シンタローは比較的自由に学校に行き、友達を作り、父から溺愛されているのだから、シンタローがどう解釈しようとも、コタにはシンタローが幸せだという事実だけで、十分彼を受け入れない理由になり得ます。

家族間?の深い断絶を、軽いギャグで葬ったのは、あるいみ原作者の無意識の防御だったのかもしれません。突き詰めれば、ガンマ団の権力、青の一族の財産、マジックの愛の全てを手にしたのがシンタローであり、シンタローがマジックと結託するならば、周囲の怒りはシンタローに向かうでしょう。そんな描写、原作者は想像もしないと思います。




ならば女親の様な愛がコタやグンマに注がれれば、皆幸せになるのかと言えば、難しいと思います。女親の様な愛を高松はグンマに注ぎましたが、グンマは孤独と停滞に陥りました。高松は自分の想像しうる最上の愛をグンマに注いだかもしれないけれど、所詮たった一人で考えた結論に、事態を打開できる力はないのでしょう。

皮肉なことに、南国&PAPUWAのマジック一家の描写が不十分な事で、「コタは冷静に家族を見つめ、彼等にとらわれない程度の距離を掴み、自分の道を歩き出した」と言う推測が立ってしまいます。流石次男坊。



■しばらく前から喉が痛いです。親知らずが斜めに生えてきて、顎を動かすときしむ様で痛かったのですが、そちらは薬でどうにかしました。

喉の方は、風邪でもないのにと近所の医院に行ったら、神経だと言われ、これまた薬をもらいました。ネットで見ると体に異常がないのに喉がつまる感じがあると、やはり神経だそうです。気にやまなければいいそうで、先生も苦になるなら飲む様にとの事で、処方箋を書いてくれました。




そんなで誤魔化していたら、今度は咳がとまりません。コンコンという感じではなく、喉の奥からこみ上げるような、いっそ何か吐けば楽になるのかとう、深い咳です。

昔からそんなに丈夫な方でなく、ただ気合いでここまで来ただけの様な自分なので、気を緩めるとあれこれ出て来ます。昔受験生の時に、コンコンと咳をすることがあったら、咳をする事自体に父親が文句をつけて来たので、リビングから早々に出た事があります。

今、あれこれ親子関係もネットで指摘されるまでもなく、深刻で辛いものが世の中には多いと思います。いい年をして声を大にして文句を言うのは恥ずかしいので自分は黙っていたいですが、康成が延々と孤児根性という言葉を使うのを見ると、何だか安心します。偉い作家で、国際的にも評価の高い先生でも、親子関係には苦しめられるものなのかもしれません。




荷風も、財産と地位のある家の第一子に生まれ、自分こそ母の愛も家督も継ぐ者だと信じていたら、母は弟に家の財物を預けていたらしく、荷風が激怒したというくだりがあります。

荷風の様な男に、大事な家を任せられるかと言えばノーでしょう。でも荷風は第一子である自負、莫大な財産を手にしていて、父やその周囲から愛された記憶があるから、母と弟の結託が許せなかったのでしょう。

だからって医者にもかからないで孤独死しなくてもと思いますが、発端は荷風の親子関係の悪さだったのかなと思います。

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