■グンマを見ていると感じる恐怖は、彼の内面が読み取れない不安から来るのかなと思います。何を考えているのかなんて、親しい間柄でも打ち明けないかもしれないし、相手が黙っている方が無難と思うなら、自分も聞かないよりありません。
パプワのキャラはどちらかと言うと、馬鹿正直な男が多いのかなと思います。ミヤギやコージがお芝居出来そうな気はしないし、心戦組の人達も、人柄が素直と言っていいだろうと思います。青の一族の面々も、欲深なくらいで、帝王学他をかんがみれば分からないことは無いと思います。
グンマが自分の内面を皆に見せないのは。見せる程でもないと思うのか、実は高松(に代表される自分の運命、周囲)を憎んでいるのを周囲に知られても面倒だからなのか。グンマはアスに言い返す勇気はあっても、高松に対する怒りと憎しみをどう処理したのか。
キンちゃんは馬鹿正直な方の男なので、グンマについても高松についても、ごく簡単な理解しかしていないのではと思います。キンちゃんはそれでいいし、グンマはニコニコし続けていれば秘密を厳守していられるのでしょう。読者である自分は、グンマの笑みを見ているしか出来ません。
■先日から後継ぎの話です。あくまで雑感ですが、読んでくれた肩を不愉快にさせるような事を書いているのでと不安です。
よく言われる「後継ぎ云々は上の世代にすれば重大な案件だけど、何をどう相続するのかは、生まれた子供が決めるべき」というのがあります。又は、「よくご家族、夫婦で相談して」とも。
全く正論なんですが。後継ぎでない・後継ぎであると指名された子と、そうでない子には、子供のうちから多大なる差別が発生します。夫婦で相談と言っても、お互い所詮他人で、男の方がアホみたいに「後継ぎ、後継ぎ」と夢中なら話し合いも出来ないでしょう。
「僕は後継ぎだから頑張らなきゃ」「あたしは女の子だから、いずれ別の家で家族を持つの」と思う等、子供が成人して、自分の人生を考えられるようになるまで、既に試練と選択の連続と言えそうです。
親が子供に、お前の自由にしていいよと言った時は、大体「絶対迷惑かけるな」と言う意味合いを含むから、経済面を親に支配されている子供に、決定権はありません。
・後継ぎの男子だから養育・教育に金をかける。でも男の子だからお勝手の事なんてしないでいいのよ。(こんな感じで成人するので、何歳になっても家事も介護もしない男性が多いのかもしれない)
・女の子はいずれ嫁に行くのだから、最低限の投資で十分。でも女の子だから、家事も介護も絶対にしなさい。(つまり嫁ごうが行かず後家だろうが、実親についての家事・介護が女性の義務になる)
こんな感じで、子供世代が20歳くらいまで家庭内のあれこれが進行した日には、大体皆歪んできます。更には、親が病気になり、財産をいずれ分ける時が来れば。「俺は後継ぎだから多めに金をもらう」「あたしこそ介護や看護に奔走したのだから、報いられるべき」という、泥沼になります。
親世代の死に伴う泥沼の後は静寂が来ると思いきや、次は自身の介護や老後の不安が来ると言う、循環です。後継ぎだと指名されてもいい事ないし、お前は嫁に行くものと暗に言われていても、結句、細かい選択と試練の連続なのだろうなと思います。
困るのは選択肢を子供達に与えるのは神でも仏でもなく、上の世代のエゴイズムな事でしょうか。自分達の築き上げた世界や価値を無為にしたくないというエゴが、全ての下の世代の苦痛の始まりの様な気がします。 |
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