 ■大菩薩峠を読んでいます。長さにして荷風の断腸亭日乗よりボリュームがありそうです。荷風は独身主義者ですが、大菩薩峠の作者も独身主義だったらしいです。理由は実父とのいさかいと、幼い頃の暗い暮らしのせいだとか。
荷風も漱石も谷崎も康成も、ある意味独身主義者と言えそうです。自分の価値観が激しすぎて、妻や妻の両親と合わない部分が出て来て面倒なのかもしれません。でも先生方、女性が嫌いなわけではなさそうです。
大菩薩峠の場合、独身貴族が書いたという訳ではなさそうです。武芸の道場、山の温泉場、港町、山間の集落、大道芸人達、と舞台が転々とし、かつその舞台に名残惜しさを感じないのか、いちいち大火事や喧嘩、政治的混乱等を起こしてからの舞台転換です。
その上絶え間なく辻斬り、泥棒、誘拐等の犯罪が起きるので、人物の心境等は大体置き去りです。漱石や康成なら、一回の犯罪、一つの場面にポイントを置くだろうから、これは全く別種の作品なんだなと思いました。
■グンマのイメージについてです。以下雑感です。
・グンマは登場当初「育ちのいい子」という印象こそあるが、甘えん坊、泣き虫というイメージはなかった。
・マジックの事を素直に「おじさま」と呼び、マジックの独裁かと思われたガンマ団において、彼にも部下がいる事が分かり、クールなイケメン中間管理職というイメージの方が、グンマは先行していたのではと思う。中原さんだし。
・中原さんだしというと、星矢のアルべリッヒも中原さんだったりする。パワーや忠誠心を誇るキャラが多い星矢において、珍しい頭脳系の戦士だった。ちなみに策士であり、純朴なタイプの青年が多い神闘士の中でも異色だった。
・グンマと同時期のキャラとすると、幽白の妖狐蔵馬がある。あちらも冷酷な盗賊で有名で、仲間の黄泉を見捨てたシーンは余りに見事だった。更には、ドラゴンボールの17号も中原さんであり、キャラとすると、破壊と殺人を楽しむ、手の付けられない悪役だった。
・中原さん中原さん言って、演者さん御自身に関係ないと所で熱くなって申し訳ない。でも、冷たすぎてカッコイイキャラと言えば自分には中原さんだった。
グンマも育ちがいい犯罪者という、いかにもという悪の御曹司っぷりを期待したい。けど劇中で最も身分が高いのは、シンタローである。星矢のアルベリッヒは自分の家柄を自慢にし、妖狐、17号は自分の極悪非道さを楽しむような面があったけど、グンマの場合、もっと家柄が高く、もっと極悪なキャラが劇中にいたりする。
グンマよりシンタローは強く、家柄もいい。悪さから言えば、グンマより「悪い」キャラは高松を始めとして結構いる。
南国がギャグアニメだった事もあるけど、グンマの場合、中原さんの冷酷そうな声がプライド高そうな印象を与え、シンタローとパプワによって冷酷さもプライドも粉微塵にされた後、残ったのが「お坊ちゃん」な部分だったのではと思う。
高松の登場と相成り、グンマは何故か泣き虫の可愛い男の子になった。南国には中原さんグンマより、悪そうで強いキャラが多過ぎる事も原因かもしれない。家柄・頭脳・プライドの高さ等でグンマを越えるキャラが多過ぎるのだと思う。中原さんをして、甘えん坊の泣き虫美少年の演技をさせたのは、グンマだけかもしれない。 |
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