madeingermany

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...... 2016年11月16日 の日記 ......
■ 懈怠   [ NO. 2016111601-1 ]

■中原さんの声のイメージから、アルべリッヒや妖狐のようなヒールな感じを抜き取り、高貴さに特化したのがグンマなのかもしれないと思いました。グンマ本人の意識は分かりませんが、長らくグンマを預かっていた高松にすれば、身分違いの姫君をお預かりしている様な物だったと思います。

高松が愛したのは、グンマのブランド力だったかもしれません。ルーザー様の息子だとしても、グンマは先代総帥の孫です。キラキラとした青い目に、人形の様なブロンドで、振る舞いは(高松の冷然としたしつけの結果なのか)貴族の如しです。

ただの団員に過ぎない高松、容姿にも彼は、多分初対面のソネ君に何か言われただけでブチ切れするくらいコンプレックスがありそうです。グンマのブランド力がどれほど魅力的で、喉から手が出る程羨ましい物だったか想像できます。

既に強い自我を持つサビやハレでは、高松といえども連れ歩く事は出来ません。グンマは格好の何かだったのだろうと思います。でも本来は誰かの主人になる方の性格でないので、キンちゃんにひざまずく日が来たら、そちらに夢中になるのかもしれません。グンマはそのブランド力にものを言わせ、いつか好きなだけ高松に反撃したらいいと思います。




■くどいですが大菩薩峠を読んでいます。年内に踏破は無理だと思います。来春くらいには読み終えているといいなと思います。途中で別の本を読んでも、多分大丈夫です。

よく人物が「逃げる」本だなと思いました。冒頭でお浜が竜之介に八百長を依頼にしに行った件、竜之介のせいでお浜が離縁された件、外延々と事件が起き続けますが、大体みんな逃げます。

舞台が昔なので冤罪でも、捕まれば自白するまで拷問を受けるのは必定ですが、実によく逃げます。人探しのためだけに勤め先を逃げる、勤め先がよくないから逃げる、旅行中に知り合った人が悪い人だったらしいので逃げる、と大体オチは解散・逃げる・殺す、の様です。

竜之介自体が無節操なので、兵馬くらい真面目であって欲しいですが、もう明治も近いのに仇討で諸国放浪ってあったんでしょうか。竜之介の被害者の会くらい出来そうですが、日本が広いせいか、彼は何とも思っていません。



■大菩薩峠ではないのですが。罪には「事故を防げなかった」という種類の罪もあります。故意に相手に危害を加えなくても、相手が危害に遭いそうな局面で、事故を防げなかった場合の罪です。不作為、懈怠というものです。

後悔先に立たずとか便利な言葉がありますが、自分が苦しんでいる時に、見て見ぬふりをされた怒り、というのは世の中あるだろうなと思います。




自分の肉親はよく、「俺は煙草も博打もやらない」と威張ります。家庭内不和について、「貴方にはこういう役目があるのだから、威張ってないで相応の努力を求める」と言っても、いわゆる末っ子長男の厚かましさで不動です。何もしません。

周囲が日増しに険悪になるのを傍観し、「俺は何もしてない」と言い放ちます。ならば本当に無力なのかと言えばそうでなく、膨大な預貯金と、高価なマイカー、よくしゃべる口と、健康な体があります。

殺人、誘拐、強姦等を屁とも思わないのは竜之介ですが、類似している男なら知っています。

いじめられた方は「加害者の目の前で死んでやる」と一度は思うかもしれませんが、相手のせいで悲しんだり苦しんだりしても、相手が一向に平気だった歳月を思えば。悲しみを訴えるために相手に「自分の死」を叩きつけても、相手は「俺に迷惑をかけた」くらいにしか思いません。そういう男はいます。

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