■ルーザー様から贈られたネクタイピンが、高松の宝物です。センチメンタルに、高松はキンちゃんにそれを差し上げたのかなと思っています。キンちゃんはママみたいなものである高松から贈られたものであるし、重いとか、俺は俺とか思うかもしれませんが、雑には扱わないだろうなと思います。
ただしキンちゃんなので、思いもよらない場所に無くしてきそうです。そのまま紛失してもいいと思いますが、高松が立ち直らないと思うので、「サービスが拾った」とか都合よく妄想してます。
ネクタイピン、魔法少女的に変身アイテムになるとか、マクロスFのシェリルのイヤリングみたいにパワーが増幅されるとかないんでしょうか。種も仕掛けもない、普通のネクタイピン。でも高松が泣くと、涙が結晶になってネクタイピンになったとかならないとか。
■久しぶりに井上靖のものを読んでいます。洪作の出てくる最後の本らしい、北の海です。登場人物達はしろばんばとほぼ同じなので読みやすいです。洪作は思春期と言うか、周囲の女性や「家族」に対して一種違和感を感じている様です。
この「家族への違和感」、井上氏らしいというか、外の本でも滲み出る感情なので本物の思いなのでしょう。母と暮らせばでも、老いた母親への恐ろしいまでの冷静さがあります。あれを読むと、兄弟姉妹とは仲良くしている様で安心します。
洪作の物語を書いた人は「家族」へ平常より冷静なだけで、決して人嫌いではないのだなと安堵します。これが康成だと、「家庭内の不倫な事件で幼少期に傷つき、成人後全く別の他人と親しくなって癒されるが、やはり自身も不倫に走り、妻や子供を傷つけ、新たなる犠牲者を生むエンドレス」になる気がします。
おぬい婆さんは散々色々言われる女性ですが、洪作にとってトラウマの全てとかではなく、やはりいつまでも慕わしいものなのだと思われます。高松とグンマもそうであって欲しい、と何度思ったかしれません。
■唇にヘルペスらしいものが出来て痛いです。触れたりなめてしまったりするといけないと聞き、まさしく腫れ物に触る何とかです。
PAPUWAで、激務で困憊したキンちゃんの所に高松は帰って来ます。キンちゃんは仕事のために高松を呼んだと豪語すると思いますが、ミヤギ達は「学生の一人暮らしが風邪を引いたら、おかんが地方から新幹線で来た」くらいな感じなのだろうと思います。
甘えん坊で華奢なイメージさえあるグンマの方が、風邪もひかないし、怪我等もしないんだろうなと思います。南国の頃は側に高松がいたから、甘えないと周囲が変な目で見るくらいのテンションだったと思いますが、グンマはヘタレでもなんでもないと思います。
高松がグンマをダメにしていたのか。キンちゃんは細雪の幸子の様に、元気そうだけど意外と華奢なのかもしれません。幸子と言えば始終ふせっていたり、医者を呼んだりしますが、不健康なイメージはありません。谷崎一流の味なのでしょう。
漱石なら「余裕があるから病気になるのだ」と訳の分からない罵倒が出てくる展開ですが、幸子もキンちゃんも、ふせって医者を待っているのが似合うかもしれません。お見舞いはモカケーキでしょうか。 |
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