■井上靖の北の海を読んでいます。久しぶりに、時間を忘れて読んでいました。趣味としての読書は現実逃避なのかもしれませんが、井上靖のものは、読む前と読んだ後と、自分が別人になったかの様な気がします。
楼蘭や敦煌をもう一度読みたいです。何故こんなに井上靖は淡泊な文章を書くのか、しろばんば以降の連作を読んで初めて知る思いです。おぬい婆さんと洪作の不思議な関係が、全ての始まりだったのかもしれません。
洪作はおぬい婆さんの伴侶だった曽祖父を知りませんが、毎日の様に彼女の記憶の中の曽祖父の話を聞いていたでしょう。
確かめようもない在りし日の曽祖父の姿を否定してもおぬい婆さんが悲しむだけだし、だからと言って彼女と同じ情熱を持って彼をイメージする事は出来ないでしょう。井上靖の小説の持つ、激しさの始まりはその辺の葛藤からかもしれません。
■先日からの妄想です。
昔ルーザー様が下さったネクタイピンが、生涯の宝である高松。南国終盤に登場したキンちゃんがスーツを着るようになったので、迷いなく彼に贈る。
キンちゃんは物を粗末にする子ではないけれど、怒って服を破り捨てた時に、ネクタイピンはどこかへ飛んで行ってしまった。
紛失に気が付き、消沈のキン高。始まりの終わりの島まで探しに行くとキンちゃんは言うけれども、あれだけの天変地異が起きた島で、ピン一個探すのは不可能に近いし、あの島へ行く経費はとんでもなく高い。私用で動かせる経費ではない。
キンちゃんがアスの前で服を破り捨てた時に、居合わせたサビがネクタイピンを拾っていて、保管していた。色々落ち着いた後高松に返そうとし、サビに感謝する高松。
ただし高松なので。「ルーザー様はこんなお姿になって仕舞われても、御兄弟の掌に戻ろうとするなんて、私はどれだけ嫌われているのでしょう。」とすねる。
サビは珍しく、「私にはこのネクタイピンが、お前の下に帰ろうとしている様に感じたが」と言ってくれるが、ルーザー様はサビのために死んだ様なものだし、高松の消沈は続く。
面倒くさいのでネクタイピンをキンタローに渡すサビ。前通り身に着けようとするキンちゃんだが、何せ古くて壊れかけているので、ピンとの再会の報告がてら高松に修理を命じる。
キンタロー様が再び身に着けてくれるなら嬉しいと、機嫌を直す高松。高松はものを大事にする方と言うか、こだわりが強く面倒な面があるのは知っていたが、その分ある意味喜ばせやすい男かもしれないと思うキンタロー様。
ただし何か考えて高松にプレゼントをしても、どうしても一回は父の墓前に供えようとするので、彼が恋人なのか母なのかいまいち分からないままだ。
■いよいよヘルペスが膨らんで来たので、皮膚科に行って来ました。多分今が一番ウィルスが多いんじゃないかと思います。飲み薬を飲み、軟膏を塗って寝ます。
初めてヘルペスが出来たのは、小6の時でした。当時唇を触る癖があったので一向に治らず、かなり大きかったのを覚えています。こんなの何でもないと無理に口を開け、給食を食べていたら、治りかけのヘルペスが破れたのか血が出て来て、鉄の味が口中に広がりました。
給食の皿の上に、血が滴っていたのをよく覚えています。衛生観念、保健への意識がその辺から芽生えた気がします。以降、ニキビ、肌荒れ等に悩まされ続けて今に至ります。 |
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