■南国&PAPUWAでもったないと思うのは、キャラ同士の対戦場面に余り重きを置いていない所かなと思います。シンタローの圧勝しかない点も大きいですが、アニメのギャグっぽい描き方の面白さは別として、少年誌らしいバトルは少ない様に思います。
何が言いたいって、戦うグンマが見たかったです。先日からうるさいですが、ジェニーかティモテみたいなサラサラブロンド、ガラスの様な青い目、雪花石膏の肌と、高松の絶え間ない努力の成果がグンマだろうと思いますが、男なら、もっと不敵なグンマが見たかったなあと思います。
作風として、キャラとして多分そういうグンマはないと思います。グンマと言えば肉弾戦を好まず、メカの開発の方に熱心な青年です。もっとも彼自身がそう選択したのか、高松が「体術で勝つなんてつまらない事です」とグンマを誘導したのか定かではありません。
高松のお節介と言うか、グンマは秘石眼が発動するきっかけを潰しまくられたのか。すごく中2で、すごく悪くて、すごく自分勝手で、すごく寂しがり屋のグンマが見たいです。高松がひっきりなしについて回るから、グンマは「寂しい」という感情すら、感じないでここまで来たんだろうなと思います。
自分について「不足」を感じないと、人は動けないかもしれません。お腹が空くから料理を覚える。知りたい事があるから調べる。寂しいから、誰かに会いに外に出る。高松は全てそれらの芽を摘んだのでしょう。
■近日、るろうに剣心の北海道編が発表されるらしいです。案だけは20年くらい前から聞いていましたが、外の新連載や、和月先生の方向性の変化?心境の変化?等を思うと、夢物語の様に思っていました。
北海道と言うと、それからの三千代の父が生活に困窮し、移住した所です。また、漱石が兵役逃れに戸籍を北海道に移したとも聞きます。開拓という晴れがましい場所であり、独歩が妻と新生活を夢見た場所です。
何でもありというか、今の新幹線騒動からも分かる様に、時代の流れに翻弄される土地なのかなと思います。松前藩の頃、間宮林蔵の測量、ロシアとの関係、と非常に多岐にわたる課題のある場所です。
るろうに剣心で取り上げられる頃の北海道は、もう鉄道が走っています。小樽の有名なニシン御殿はまだないですが、繁栄の兆しはもうあったのでしょうか。
20年前のるろ剣の主な登場人物は、反明治政府です。政府にたてつく気持ちさえあって、佐之助も政府嫌いのはずです。剣心は政府の側ではないけれど、「やっと来た平和を守りたい」という気持ちで、反政府の男達と戦います。
剣心と北海道と言えば、政府の用向きで行くとなると自然に思えます。あれだけの長距離を剣心一人なら兎も角、メインメンバーが皆で行くなら路銀はただではすみません。剣心と北海道。元維新志士と北海道。武士だった人達も大勢いるだろう北海道なので、色々物語になりそうです。
北海道編、どのあたりに焦点を当てて物語を作るのか分かりませんが、観光気分だけで北海道に行くのはもったいないでしょう。土方歳三が亡くなった場所でもありますし、戊辰戦争が本当の意味で終わった場所と言えます。 |
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