 ■氷菓の関谷純が、何故失踪宣告に至ったのか考えていました。氷菓は「関谷純の失踪宣告を受けて悩むえる」の姿がメインですが、名家の一員だった男が、海外へ身をくらませた事実の方が深刻だと思います。
えるの「せい」だろうなと思います。
えるは関谷純を慕っていました。親しいおじさん、何でも教えてくれる身近な男性だったそうです。高校を追い出され、中卒のまま?名家の片隅で冷や飯食らいだった関谷純には、えるの家庭教師が、丁度いい仕事だったのかもしれません。
しかし相手はえるです。名家の後継ぎという事もありますが、好奇心の獣です。当然、関谷純の過去にも興味を持つでしょう。彼が「思想犯同然で学校を締め出された」事実にえるが辿り着くのは時間の問題です。
ただでさえ、神山市に居場所のない関谷純は、えるの追跡によって、最後の居場所だった家庭にさえもいられなくなったのでは。
えるに言わせれば純粋な好奇心だったかもしれませんが、感受性の強いえるが学生運動に触れれば、豪農だの名家だのの重みをムシする子になる可能性もあったでしょう。周囲はえると関谷純を引き離そうとすると思います。
えるに完全に関谷純を諦めさせるための、失踪宣告と葬式だったのではと思います。関谷純は、えるがいる限り帰ってこないと思います。
■同人に熱を入れ過ぎ、孤独感と劣等感をこじらせていた時。今もですが、もう何年か前の事です。「同人誌即売会は貴方の居場所ではない」と、先達に言われました。嫌な意味ではなくて、もっと周囲の家族や友達を大事にしましょうという意味だと自分はとらえました。
いい言葉だと思いました。しかし、「熱する」事に過剰な自分には、周囲の人たちに同人と同じエネルギー、同じプレッシャーを与えてはならないと思いました。同人でもリアルでも、思い通りにならない事は多いと思います。版権、二次元だから自分の思う様になるというのは間違いだと思いますが、一定量までは、心地よくしてくれるものでもあります。
自分の場合、二次元みたいなものがないと、文字通り死ぬと思います。自分の周囲を憎んでいる訳でも、大事にしてない訳でもありません。ただ、「私の側にいてくれる」と誤認させてくれる何かが必要なだけです。同人誌即売会は、そういう誤認が強く出る場所なのだと思います。地上で唯一、自分と好きなキャラが同一視されやすい場所です。 |
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