■先に楽しい事を書きます。キンちゃんのポイントは、根が単純な事なのかなと思います。一見、甘えん坊のグンマとしっかり者のキンちゃんと言う取り合わせですが、グンマの方は実はちゃんと24年分またはそれ以上大人になって、(高松に似た?)老獪ささえ時に感じさせます。
キンちゃんが老獪と言われるようになるには、まだ半世紀はたっぷりかかるでしょう。でも高松が先回りしてしまうから、いまいち成長しない点もありそうです。根は4歳なんだなという感じも劇中にあります。
開発課で。高松医師の指導でもないですが、昼食後にグンマ博士やキンちゃんが歯を磨いて。グンマはサッと磨いて済ませるのに、キンちゃんはいーっと高松に磨いた歯を見せてくれそうです。4歳。
■先日からの、年甲斐の無い話の終わりです。高松はソネ君戦の時に、年の功と言われますが、あれはあれで一応褒める方の言葉なんだよなと思います。言っている方はそんなつもりないと思いますが、高松の怖さは、単純に、普通の男なのに(目からビーム等は出ない意味で)ガンマ団に数十年勤めている点だと思います。
下呂や高山で見た、愛らしい娘さん達への感情。突き詰めると、「移動」への憧れだったのではと思います。「異性」への憧れなら、わざわざ場所を高山本線沿線に限る必要はありません。群馬県内にも、可愛いお嬢さんは多いです。
イギリスのEU離脱の際、注目された点の中に「移動の自由」があったのに、刺激されました。谷崎ではありませんが、日本の女性には「家にいる」事が美徳の一つに挙げられると思います。ひたすら家にいて、義父母や夫、子供達に尽くし続ける婦人の姿。
細雪に出てくる幸子達の長姉、鶴子はそんな女性だそうです。「大阪のいい所の女は家から出ない」とまで谷崎は言います。実際鶴子は早くに母を失い、主婦として家を支え、東京に遊びに行った事がなかったと書かれています。
どうでもいい事なのですが、我が家は農業という自営業でした。つまり、365日仕事があります。女だ男だと言わず、家にいて何かするのが仕事です。
あくまで我が家の場合ですが、そんなに合理的な農業ではありませんでした。ひたすら嫁や孫をいじめるだけの、生産性のない農業だったと思います。
「田畑もしないで家から表に遊びに行く」という事そのものが非難されるような。大体、市街地や繁華街に行くにしても、人気のない道を一時間は歩く必要があり、運転免許とマイカーがなければ陸の孤島です。
そんなら家にいればいいのかというと。「本ばかり読んでいる」「みっともない」と父に罵倒され、行くあてもないのに家から自転車で出て、30分くらい仕方なく近所をウロウロした事さえあります。
自分にとって意義のある「移動」ってないのかと、実行出来たのは20代も半ばです。同人誌即売会等で県外に行く事を覚え、そのまま鉄になりました。伴侶は異性ではなく、上越新幹線そのものでした。自分を(お金を出せば)どこへでも連れて行ってくれる伴侶です。
家にいる苦痛を散々味わった時、泣きたいほど遠くに行きたかったです。下呂や高山にいたお嬢さん達の年頃の頃は鉄でもなく、高山本線の存在自体知りませんでした。 |
|