■ホームズの初期の短編を読んでいます。昼メロ的な物語の嵐です。どうしてこんな家庭内不和の描写が続きながら、モリアーティ教授の出番に繋がるのか分かりません。
ドイルの母は夫が社会的入院をした後、年下の下宿人と恋愛関係にあったそうです。若かったドイルの衝撃やいかにと思います。「女性が家族の目を盗んで、あまりよくない異性と愛し合う」「一家の主が外出している間、家の中ではよくない事が旺盛に進んでいた」というお話が結構繰り返されます。「閑静な田舎でこそ、罪が犯される」とも。
女性や田舎と断絶し、ベイカー街にいるホームズは、さぞ安泰な立場なのでしょう。
■アイリーン・アドラーのすごさについて考えていました。彼女のすごさは、ホームズの罠に気が付いた点なのかなと思います。女優でもあった彼女には、ホームズの変装や演技が分かったにしても、自身も男装し、ホームズの動向を確かめに来た不敵さがすごいです。
ホームズも彼女の家に翌朝行こうなんて思わないで、とっとと写真を手に入れればよかった気がするんですが。「人は習慣を捨てられない」という確信があったのでしょうか。アイリーンのすごさは、その変わり身の早さでしょう。立場も感情も居場所も、彼女は華麗に切り替え、ホームズのいない場所へ逃げて行きました。
アイリーンが逃げて行った後のホームズは、相変わらず己惚れ屋で傲慢とも言えそうですが、徐々に変わった気がします。気になるのはマイクロフトとの関係ですが、彼をジュピターと呼ぶあたりで、もうホームズの兄への感情は揺るがなそうです。
■グンマって中学デビュー、高校デビュー等をしないまま、28歳を迎えたのだなと思いました。士官学校は小中高大一貫教育で、卒業後の進路もほぼ決まっている様なものだとしても、マンモス学校的な楽しさはあるのだろうと思います。
高松の価値観とすると、「勉強や仕事が出来れば他はどうでもいい」と思っていたとも言えそうです。しかし、突如登場したキンちゃんに対し、「みんなと仲良くしましょう」的な事を言い続けるあたり、どうも違う気がします。
グンマは高松に軟禁されていたと考えると、つじつまが合います。コタローは実父による幽閉だったので、「他人」への期待があるのか、パプワやリキッドとの時間を楽しんだ様ですが、グンマの場合、高松の立場が曖昧過ぎて、グンマ自身も、もうどうしたらいいのか分からないのではと思います。
キンちゃんの場合、「俺が何をしても高松はついてくる」とか思っていそうです。なにせ、シンタローに相手にされなくて、泥だらけで泣きべそかいていた時に高松に出会い、基本的に恥ずかしい所しか高松に彼は見せていないので、高松は駆けつけてくれるママであり、父親の事を色々話してくれる大事な人なんだろうなと思います。
グンマはキンちゃんより、賢い子なんだろうなと思います。「高松の内面」とか、ブラックホール的なものに目が行く賢さが、グンマの全ての行動を決めていたのだろうと思います。
高松自身は「中学デビュー」に意味を感じなくとも。色々価値観の違う人に出会ったり、地縁血縁以外の人に出会う事は重要だろうと思います。高松が無意味だと感じても、グンマまで自分の可能性を潰す必要はない訳で。 |
|