■ハレって不良中年、自由人と自称していそうですが。いわば、NHKの名曲アルバムに出て来そうなカントリー・ハウス、ないしマナー・ハウスに住める男の言う「不良」「自由」な訳で。
小公子セディみたいな生活しているアンタが何を言うと、高松と永遠に埋まらない溝がありそうです。高松自慢の(?)栗林公園も、思えばもとは誰かの私邸みたいなものでした。
■「孤独な自転車乗り」を読みました。てっきり表題は、自転車にまたがるお嬢さんの事かと思いましたが、違いました。ホームズに助けを求めたくなる程、お嬢さんを自転車で追い回して怖がらせていた男を指していました。ヒロインは孤独でもなんでもなく、母親と婚約者がいて、仕事も充実しています。
一昔前の漫画なら、思い詰めたストーカー行為も愛の表現として許されたとか。意外な事にホームズ先生、「孤独な自転車乗り」を、勇気がない、自分勝手であると責める感じでした。女性の不幸とは、時代も国も関係ないのだなと思いました。
■飛騨高山で。気が違った様に、入須と奉太郎がお茶を飲んだ店を探し回りました。高山は素敵な観光地だから、喫茶店一軒見過ごしても、外に見どころは沢山あります。ですが、「ここに来た意味」を教えてくれそうなのは、あの茶店でした。現実と創作の間にある、不思議な空間でした。入須みたいな女性を生んだ街、群馬から半日かけて出かけてよかったと思いました。
■まだホームズを読んでいます。氷菓でちょっと触れられていたので気になったのですが、奉太郎がホームズなら、やはり、えるへの恋は踏みとどまる気がします。えると奉太郎、摩耶花、福部とわいわい楽しんでいるならいいけれど、えると奉太郎の一騎打ちだと、混迷しそうな気がします。
お互い、えるは奉太郎より、奉太郎はえるより大事なものがあります。えるは、名家の後継ぎである立場、奉太郎は省エネ主義でしょう。たまたま同じ高校の同じ部活で出会ったけれど、それ以上の進展になるには、まさしく待っているのは「遠回り」なのかなと思います。
えるは何故、十文字や入須に叔父の事を相談しなかったのでしょう。名家の事情に詳しい彼女達では、千反田家の恥部をさらす事になるとえるは恐れたのでしょうか。名家同士の付き合いがある彼女達より、全くの他人である奉太郎の方が、協力してくれるかどうか分からないし、千反田家への感情も分からない訳で、危険だろうと思うのですが。
古典部の男性部員という事で、えるが異様に奉太郎に入れ込んでいたのもあるのかなと思います。古典部の男性部員=叔父=奉太郎みたいな。奉太郎は完全に受け身です。入須のセリフではないですが、えるは「女の武器」で奉太郎に推理させた様に思います。えるは無自覚でしょうが。
中学でとんでもない目に遭い、高校でも省エネを貫こうとした奉太郎が、えるという降ってきた美少女に心を揺さぶられたのはあり得そうな事です。ですが、奉太郎でなくとも、入須先輩でも叔父の過去が暴けた様な気がします。えるが欲しかったのは、支配する相手そのものだったのではと思います。
千反田家というバックを気にしない人は、同じ一族の人間か、奉太郎の様なちょっと風変わりな人くらいだったのでしょう。えるを単なる美少女として扱う男は、ちょっと抜けているとも言えそうな奉太郎だけだったのでは。生き雛なんてものになれるお嬢様を前にして、早々自分を見失わない男は。 |
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