madeingermany

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...... 2017年10月04日 の日記 ......
■ 主人公   [ NO. 2017100401-1 ]

■からくりサーカスについてです。劇中で鳴海、エレ、勝への熱の入った描写が続きます。エレは自分の中のフランシーヌ人形、フランシーヌの思いを感じ、鳴海への愛を高めさせます。感動に次ぐ感動の漫画ですが、そうも簡単に、血のつながった家族との縁が切れるのかなと思いました。

美味しんぼでも山岡が「雄山とは法的にも無関係」と分からない事を言っていましたが。夫婦の縁は切れても、血縁だけは逆さにしても切れないのです。永遠に人間は、誰かの子供です。それでは人に生まれてつまらないから、あれこれ努力するのかもしれません。

鳴海は兎も角、全く家族を知らないエレは今後どうするのだろうと思いました。エレの思う「家族」のイメージは全くの空白か、鳴海の希望に依存したものになりそうです。からくりサーカスはいい漫画ですが、アンジェリーナ(とギイ)の思いが、まるっきりエレに伝わっていないのだけが残念です。

(アンジェリーナ、正二、ギイの思いがエレに伝わってしまえば、エレを束縛するからか。柔らかい石の行方込みでエレが真相を知れば、エレは自分の心臓を切りさいて鳴海に進呈しそうだから、やっぱり知らない方がいいのかも。)



■南国&PAPUWAへの雑感です。独断と偏見です。

・南国&PAPUWAの主人公は、パプワでありコタであるが、実質シンタローである。しかしそのシンタローさえ不動の主人公ではない。いつの間にか原作者の愛がサビに移り、かつリキッドに移っている。

フォーカスされるキャラが一定ではないのはいいのだけれど、周囲の人間関係ごと変わっていく。

(南国初期)
シンタローがマジックの息子であると言う設定は、まだなかった。高価な宝石らしい秘石を、雇用先から腹いせに盗み、愛する家族の下へ去ろうとするシンタローが自分は好きだった。マジックがシンタローを愛している設定はまだなく、ミヤギ達も一応暗殺者然としていた。

(南国中盤)
シンタローがマジックの息子である事が判明。シンタローは、家族への愛を胸に悪の組織に立ち向かう若者ではなく、暗殺者集団の次期総帥であった。南国のテーマは自由への逃走とかではなく、マジックさんちのお家問題にすり替わった。

(南国後期)
シンタローの薄幸な姫化完了。マジックはシンタローがいないと泣き通し。始めの方のマジックは、シンタローがいなくても普通に仕事していたと思うんだが。初期の重要キャラだったはずのミヤギ達は、総帥のお家問題がフォーカスされる展開では無力になってしまう。高松、サビ、ジャン等のミドル陣の暗躍。

(PAPUWA)
大人世代にはコタを救う事も、癒す事も、守る事も出来なかった。物語の舵は全面的にリキッドへ向き、シンタロー、サビさえ傍観者になった。以下略。




・南国はタイトルがパプワくんだが、主人公はシンタローであると言われる。自然児のパプワに「とりくむべき人生の難関」等が提示されていないため、勢い、問題を数多く抱えているシンタローがフォーカスされる。

パプワも、人間の家族がいないとか、子供で孤島暮らしであるとか、思えば問題というか課題らしいものがあるのだが、順調に恋愛・結婚・子供を授かるというリア充ぶりである。この辺は、大人世代が抱える難問を上手くかわし、自分の人生を歩み出したコタに似ているのかもしれない。

南国&PAPUWAって、大人世代キャラと子供世代キャラの世代間の距離があり過ぎる。大人世代キャラでも、マジック達ミドル世代と、ミヤギ達三十路前後キャラ達では世界観が全く異なる。ミドル世代内でも、高松・サビ・ジャンの同床異夢っぷりがすさまじい。

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