■また大菩薩峠を読みだしました。一緒に図書館から借りた別の本を読んでいて、中断していました。余りに長い本なので、時折休憩が必要だなと感じていました。当時の読者は新聞で読んでいただろうから、一話一話をゆっくり読んでいたのかもしれません。
今、新聞小説でブレイクと言うのは余り聞きません。書籍業界に疎いだけなのかもしれませんが、売れる作家が書くと売れるというイメージです。少し前自分の好きだった新聞小説があって、ブレイクしたかどうかは知らないのですが、その小説を読むために朝起きるのが楽しかった覚えがあります。
朝、居間で読むのだから、変に大人向けのスパイスとかなくて、屈託のない、明るいものが読みたくなります。どうしても新聞小説と言うと、大人がパッと読んで楽しめるものになりがちなのか、誰かの嫉妬心、性的欲求、誰かの後悔等を書き綴ったものになりがちな印象です。
大菩薩峠を読んでいた人達は、どんな思いで読んだのでしょうか。目の不自由なイケメンが殺人鬼で、無職で、和服の美女達にかしずかれている話なので、あり得なさすぎて気楽に読んでいたのかもしれません。
■日誌のタイトルは、先日とおなじものです。PAPUWAグンマの言う、本当の家族になるとは一体どんな状態なのかしばらく考えていましたが、分かりませんでした。
恐らくコタローが帰って来た後の家族の状態をイメージしての発言だと思うのですが、コタローもマジックもシンタローもテンパっているだろうし、グンマの思う最上の家族の状態は、青の一族に訪れたのでしょうか。
コタローは異次元でミツヤに出会いました。悲しいがな、子供と言うのは、絶対に親を信じる生き物です。親とは自分を生み、育てた人、育児放棄されたとしても、「僕・アタシが、親の言う事を聞けない悪い子だった」と自身を責め、親を責めないのが子供です。
冷静にミツヤの話を読むと、厨二のマジックが抱いた世界征服と言う願望を、いい大人だったミツヤが忠実に手助けしただけの事のように読めます。ミツヤ単体で世界征服に乗り出した訳でなし、ミツヤの没後のマジックが世界征服の願望を捨てた訳でもありません。
もしコタローが「やっぱりお父さんはどうかしている」と思っても、そんなマジック以外にコタローの親はいません。叔父さん達はマジックに頭が上がりませんし、シンタローはマジックを愛しているので、「親父も辛かった」と言いかねません。
グンマの思う家族とは、最盛期のドクター高松みたいな男のことなんだろうなと思います。心身ともに自分だけに捧げてくれて、声高に自分への愛を叫び、未来永劫自分と一緒にいてくれるような男。第二の高松は出て来ないでしょうし、キンちゃんもそこまではグンマに出来ません。
本当の家族とやらをキラキラした目で語るグンマは、本気じゃないかもしれないと思います。グンマは、過去自分を愛してくれていた頃の高松の様な男の再来に、身内の誰かがなってくれる事を願いながら諦め、地金が見えてしまった高松をチクチクと刺しているのかもしれません。高松は俺のママだからいじめるな、と主張してくるキンちゃんが見えます。 |
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