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...... 2017年11月18日 の日記 ......
■ 蔵   [ NO. 2017111801-1 ]

■幼少の頃、私は父から漢字の読み方や、日本地図等教えてもらいました。漢字が読めて、地図が分かるようになった私は、旅行がしたい、お年玉かおこずかいで、どこかに一泊でもいいから一度一人で出かけたいと言う夢を持ちました。群馬は温泉が多いので、出かけようと思えば旅館・ホテルは沢山あります。

父曰く、女性が一人で温泉で宿泊など、自殺志願者だと旅館が思うから絶対に断られる、お前が疑われて恥をかくだけ。成人してから今まで何度となく、県内外のホテル、旅館に泊まりましたが、満室以外で断られた事は一回もありません。



■自分には弟がいまして、お互い成人して随分になります。自分と弟は年齢差が10歳近くあり、弟が生まれるという時私は小学校高学年でした。

末っ子長男と言う事で、玉の様に愛される弟を見ながら、「小さいなあ」と自分は思いました。自分は姉さんなのだから、しっかりしようと思いました。いつか、弟の手本になれる人になろうと思いました。

とはいえ中学高校と言えば勉強と部活しかする事がなく、まずまずの成績で学生時代を終えました。弟も順調に成人し、高校卒業、就職、結婚外を迎えました。

ふと。自分の「家」は男児である弟が全面的に継ぐのだし(※群馬の山奥の話)、弟は弟の人生を行くだろうし、私は私の人生を歩むしかないのだ、と思いました。赤ちゃんじゃあるまいしに、弟はもう両親の手からも離れた、成人男子です。小さいあの子はもういません。

散々、おまえは姉さんだから、と余計な事をあれこれさせられてきたのですが、全部ムダだったんだと、最近知りました。(彼のお蔭で、女の私がどんな生き方をしようとも、「家」しか大事でない両親には、大した問題ではないのだと言う事さえ、私は気が付かなかった。ギリギリまで、「私が頑張れば、皆が幸せになる」とか信じていたのだと思う。)




■宮尾登美子の蔵を読みました。以下、感想と雑感です。

・昔、死んだ祖母がこのドラマをたいそう気に入っていたので、何となく内容の想像がついていた。可愛そうな女児が、自分の頑張りでハッピーになるんだろうなと思っていた。あらかたそういう話なのだけれど、死んだ祖母も自分の人生と重ねてドラマを見たのだろうか。



・烈は大変な苦労をして、ハッピーエンドを迎える。夜盲症からの失明、母の死、父が後妻をもらった事、叶わぬ恋をする事、女にして酒造業を継ぐ覚悟等。

烈の苦労の大半が、父親の意造の偏見と優柔不断と、世間知らずと強情と、蒙昧から来ている気がした。涼太への恋を頭ごなしに否定するのも、盲目だから、親の自分が死ぬ時は、いっそ殺してでも自分とあの世に行かせる、等意造の頭の中はワンパターンで恐ろしく、幼稚に思えた。



妻の賀穂の体を考えず、若いのに9回もの妊娠、多数の流産等を経験させたのも、馬鹿げていると思う。賀穂の体への負担を思えば、養子をもらうくらいの分別はあってしかるべきである。それほど、直系の子供が欲しいのか、家が大事なのかと思って読めば、家も酒造もゴミ同然に捨てそうになる事が何回もあった。

これでは烈が余計な苦労をするだけだろうなと思う。賀穂やむら、佐穂さんが出来た女性であることを強調するかのような、意造のダメ男ぶりだった。人間、帝大出身だとか、金持ちだとかも大事だけど、すごいスキルを持っていても、人柄までそうなのかと思うと否である事もあるかもしれない。

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