■先に楽しい事を書きます。高松はメーテルの様にカバン一個でガンマ団を出て行きそうですが、その実、私物は少なくとも、同じ水準の研究や仕事を続ける場合は、やはり手ぶらでは行きますまい。
隠居といってもガンマ団内の異動なら、運搬は可能そうです。そういう時だけ同期の桜のハーレムを呼びつけそうです。私物と仕事用の間くらいの、ルーザー様関連の思い出の品は、キンちゃんが私室に保管しているのかもしれません。
マジックはルーザー様を好きでなかった割に、ルーザー様の功績は愛していそうだから、ルーザー様の死後も記念品等は有用な限り残っていそうです。高松一人養うのにいくらかかるんだろうとボンヤリ考えていましたが、源氏の様に女君一人につき、屋敷一棟くらいの支出をキンちゃんは負いそうです。
■自分は歴史学で大学を卒業しました。古いものが好き、と公言する時もあります。しかし北宋時代の白磁や、漢代の青銅器を見てウットリする事はあっても、いい加減動かない様な、旧式の家電とかまでは愛しにくいです。
自分の父が古道具?が趣味で、どう考えても使えない品々が五万とあるのを自分は見て育ちました。嫌でも目の前にあるから「好き」と自分を誘導尋問していただけで、本当は最新式の家電や、可愛くて便利な家具の方が好きです。
■今、恐ろしい事に気が付きました。昨日から恐ろしい恐ろしい言っていますが、本当に恐ろしいので恐ろしいです。
・康成は雪国を30年余り書けて書いている。そんなに長い小説ではないので、一気に読んでも特に違和感はない。冒頭と結末で印象が異なる事もそんなにない。あえて言えば駒子と葉子が2人で1人みたいな書き方なので、若干混乱するくらい。
日本が誇る文豪において、30年間ほぼ同じ価値観を維持していたのは、いい事だと思う。康成が、「この年で孤児根性というとおかしいけれど」と言うのも、文豪の愛敬に思える。しかし、全く普通の山奥のおっさんにも、同じ事が起きる。
私の父は亡くなった祖母にそっくりである。生んでくれた女性にそっくりなのは結構だが、大体悪い面が似る。私は祖母にいじめられ、亡くなった時あまり悲しくなかったくらいなので、何故今更亡くなった祖母の亡霊が息をしているのか疑問でならない。
つまり三つ子の魂という奴で、祖母が若かった頃の価値観が、父に根付き、いまだに更新されないという事らしい。「女より男が大事」「家は男児が継ぐべき」「長男には逆らわない」等、好きでなかった祖母のポリシーが父の形になって、今に至るのである。ちなみに別に目立った資産や名声がある家ではない。
よって。私より8歳下の弟の方が父に可愛がられ、親不孝をしても猫かわいがりされる。自分もいい年をして弟に嫉妬とは見っともないのだが、これでも総領娘として今まで頑張ったつもりだった。しかしインテリ(笑)娘より、単なる男児の方が親は可愛いのだ。
父の性格の悪い所は、いずれ弟の一部になると思う。私は、電気もガスもなかった様な、太古の価値観を引きずった祖母や父に愛されたくない。弟に嫉妬するから矛盾だけれど、同人界の覇権ジャンルのサイクルはここ数年でとても短くなったのに、つまらない事のサイクルは全く動かない。 |
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