■在来上越、上越新幹線、北陸新幹線が開通した今、信越本線は三セクとローカル線の数珠つなぎです。しかし冬の時期に山々と線路を見ていると、碓氷峠あたりの難所以外は比較的穏やかです。よく考えられた路線なのだと思います。
■何回も書きますが、只見線乗り鉄が楽しかったです。電車に乗りまくろうとすれば、只見線はそんなに速い路線ではないので、距離は稼げません。そして一日三往復の路線に挑む訳で、失敗すればタクシーで小出か会津若松まで出る事になるんだろうかと、計画中はひやひやしました。
実際は、今の時期くらいの降雪なら、問題なく只見線に乗る事が出来ます。沿線の温泉宿も営業中です。雪見温泉と洒落込む事も可能ですが、自分は寒がりなので、早々に行っておいてよかったのだろうと思います。ぬるめの炭酸温泉は思い出すだけで至福の一時でした。
■お陰様で小説部分も入稿を終えました。漢字の使い方とか、調べ出すと迷うので、どちらの漢字でも間違いではないと言う場合は、最初に書いた漢字を使いました。今回2例あります。
「ルーザー博士に、高松は併走していた」
御徒町駅等で、京浜と山の手の電車が複数同時に走っている場合は、並走です。同じものが仲良く、似た様に走っていれば並ぶと言う漢字がよく合います。併走というのは、もっとたけだけしく、二頭の競走馬を争わせて走らせる場合を指すそうです。電車で言うと、京阪神での国鉄VS阪急戦みたいなものでしょうか。
高松はルーザー様と喧嘩している訳ではありませんが。なかよく並走しているイメージではなかったので、併走の方を文章中で使いました。
「高松はキンタローに、お気持ちに沿えなくて申し訳ありませんと言った。」
お気持ちに沿えない、お気持ちに添えない、はいずれも間違っていないのだそうです。電車で言うと、「沿線の繁華街」などは、物理的に近く形成されたものを指すので、心理的なウェットさは含みません。
「恋人同士が寄り添って乗車してきた」と言えば、単に人と人が近いと言うだけでなく、ウェットなイメージになります。お気持ちに添うと言えば、内面的な潤いを伴い、お気持ちに沿うと言えば、クレーマーへの店員の詫び文句の様な口上になります。
高松はキンちゃんを愛しているなら、お気持ちに添えなくてというべきですが。高松はあくまでキンちゃんを目上をとして据え、自分は部下として振る舞う事を最優先しそうです。愛や恋という、頼もしくない一時の感情に、ドクター高松が自分を委ねる事はないと思います。
キンちゃんも、他人で、年齢差もあり、結婚もしてあげられない、家族にしてあげられない男を愛したのなら、しかるべき配慮を常に払わないと、高松はあっという間に居場所を失います。高松は、グンマやシンタローの様に、当たり前にキンちゃんの側にいられる男ではありません。
高松に必要なのは、愛情の前に配慮だろうと思います。好きだからずっと一緒にいられるなんてことはないのだと、高松はルーザー様を失った時に学んでいます。また、単なる色恋の相手としてだけ、ルーザー様とキンちゃんに接するのは、彼のプライドに反しそうです。 |
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