■ふとCCさくらを見たくなった理由は、「ここにも高松みたいなキャラがいる」と思いたかったからだったと思います。高松も立派なストーカー体質ですが、金持ちで美少女の知世ちゃんだから許される様々な事柄について、いいミドルの高松はアウトだろうと思います。
CCさくらの人間模様があそこまでカオスなのは、ひとえに「ノーマル云々にこだわらない、個人本位の人間関係」を目指したからと聞きます。とても素晴らしい事ですが、小学校の教員×児童、教育実習生×中学生男児、高校教諭×女子高生、等、明らかにアウトそうなのもチラチラあります。
何故さくらでは、それらの是非について追及されないのかと言えば、意外と、過去の少女漫画において「わたし先生と結婚する」とか言い出す幼女が珍しくなかったからでしょう。「わたし大きくなったらパパと結婚する」レベルの無邪気さ、親愛表現と同列だから、目くじらを立てられる事が少なかったのだと思います。
あくまで、全てが無力な少女の夢物語だから、許されるのだろうなと思います。同じ事を成人男子から仕掛けたら、パワハラでセクハラでアカハラです。高松はいいミドルですが、周囲に手から殺人光線が出せる超能力者だの、アメリカ大統領でも逆らえない様な元総帥だのが多いので、比較的無力です。あのドクター高松が、実は滅茶苦茶無力なのだと思うと、彼が金持ちでも美少女でもなくても、許されていい気がします。
■アニメのCCさくらでは、原作の最後で語られたオチが不十分です。前半の、男の子みたいなさくらが好きだったので、メロメロに恋愛モードで話が進む後半、カード達の行方・黒幕エリオル・さくらの進退等の懸案事項がどう裁かれるのか、ハラハラして当時見守ったものです。
アニメのCCさくらは、劇場版でもさくらのメロメロ恋愛モードで大体話がまとまっています。困ったらさくらのときめく顔で話のオチをつける向きさえ感じますが、あの男児みたいだったさくらの成長を喜ぶべきなのか、さくらも普通の女性だったかと嘆きたくもなります。
さくらは普通の女性であり、クロウ・リードやエリオル、桃矢さえもしのぐ、とんでもない魔力の持ち主でもあり、なんだか設定が盛りに盛られていきます。そういうさくらのパワーバランスを公平に保つ意味でも、周囲のキャラは重要でした。
アニメだと、トラブルメイカーに終始していたエリオル君も、原作ではかなりイメージが異なります。彼は、さくらが再三、大人の女性・優しそう・美人と、はにゃーんしていた観月先生の恋人です。桃矢を振って、エリオルを選んだ観月先生には驚きですが、エリオルの実年齢と、大人びた全てを思うと意外と合います。
さくらに何かと観月先生が近づいていた理由も、大体分かります。アニメの観月先生は、声が篠原恵美さんで期待大でしたが、これといって活躍した場面はなかったと思います。
孤独そうなクロウの、転生してやっと得た伴侶が観月なら、なんか癒される話だなと思います。さくらと小狼の大恋愛にも匹敵するでしょう。生前のクロウに伴侶がいたのかどうかわかりませんが、ケロちゃんやユエさんの存在を思うと、独身だったのではと思います。 |
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