■あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。竹淵
ハーレムは甥達にお年玉をくれませんが。私の父も、お年玉を寄こさない男でした。普段もったいなくも養ってやっているのだから、特別給付金など要らないと言う考えだったそうです。金持ちのハーレムが年玉をくれない理由は、多分、彼自身がいつまでも、もらうほうの立場でいたいからなんだろうなと思います。
うちの家、うちの父も一般的には金のある方です。しかし「もらう方でいたい」という願望でここまで押し通したから金がたまったのであって、漱石の道草の健三の姉の様な、人の好さは皆無です。
■また雑感と愚痴しか書かない様な気がしますが、見捨てないで下さると有難いです。新年と言えば、谷崎の鍵を思い出します。
中流家庭の中年夫妻の性愛の話なのですが、延々本当に性愛の話だけ続きます。どうした谷崎、いつも通りじゃないかと思いながら読み、日記形式で書かれているので、いつかグンマネタに使えるのではと思って読みました。
鍵の冒頭が、確か夫の書く新年の日記です。姫はじめに妻が満足せず、じゃあどうすると夫が悩む所から小説が始まります。和やかにお互い話し合って、愛情を深めるとかではなく、ひたすらどうすれば興奮が高まるのか、長続きするのかだけ、この夫妻は練り続けます。
エスカレートの具合がまさに谷崎でした。谷崎の小説には起承転結がないと言われますが、クレッシェンドしかないのが谷崎です。問題作だった卍も、書きたかったのは妻を捨てて、新しい愛人と違う世界に行ってしまう男を書きたかっただけなのに、冒頭の世界観のまま突っ走ってしまいました。
こう書くと谷崎はただの変態です。しかし卍も鍵も、多分国語の教科書で紹介されています。大成する、名誉ある変態と言うと訳が分かりませんが、貧乏と病苦を嫌い、贅沢と若い美女を愛する生活を、筆一本で実現した男が谷崎です。
名誉ある変態と言うとドクター高松です。こちらは贅沢と美女には突き進みませんでしたが、好きな人と好きな人の子供と、ささやかに暮らすと言う、原作セーラームーンのような乙女の夢を持った男でした。キンちゃんは高松の初夢を叶えてくれると思います。 |
|