■紳士と医者の恋について。連日考えていましたが、答えは高松が劇中で言っていました。南国7巻の事です。
(キンちゃんが高松を頼っているのではなく)私がこの方の側にいる、ずっとお側でお仕えすると高松は言います。椿姫の様な価値観だなと思いました。純情な青年と恋としたマルグリットは、常に自分がどう振る舞えば彼の妨げにならないのか、考えていました。
マルグリットは自ら離れる事を選び、高松は、「身分ある方に自分の意思でお仕えする」というポーズを選んだのかなと思います。愛した相手からの見返りを余り考えていない所が、よく似ていると思います。
本来、傲岸で欲深な高松が、よくそんな殊勝な道を選んだと思います。多分ルーザー様がマジック達兄弟に「僕がしてあげたいんだから」と、彼なりに甲斐甲斐しくしていたのを、ずっと見ていたのだろうと思います。
高松は、自分がルーザー様の一番になる日は来ないとしても、自分がルーザー様の生き方を一番理解していた男になる事は可能だと思ったのかもしれません。キンちゃんには、高松を側に置いておいて欲しいです。
■英国貴族について調べていて。「妻を働かせないのが、男のステイタス。故に家庭内家事労働者が上中階級家にいた」とあります。へえと思って読みました。ジェインオースティンの小説を思い出すと、よく分かります。
グンマでは見ない考えだなと思います。嫁がおめかしして家にいて、趣味と教養に励んでいるなんて、グンマの男は許さないのではと思います。しかし南関東や、京阪神の家庭ではある事らしく、リアルで谷崎の書く家の様な、美しい有閑女性が現存するのだそうです。いかにグンマが脆弱で貧しい県なのか分かる気がします。
高慢と偏見のエリザベスの母は、5人もいる娘達が、一切の家事をしないのを自慢にしていました。ベネット夫人の仕事は、パーティーをいつ誰と行うか考える事だけだったと思います。
男達も分かっていて。ベネット家を始めとして皆地主階級の家なので、より年収のある家のパーティーに参加し、実入りのいい家の娘との結婚を狙います。ベネット夫人も、より年収のある男を家に招き、娘達を嫁がせる事を生涯の目的にしています。
エリザベスとダーシーの恋は、玉の輿だと言われますが。経済力が雲泥の差でも、2人とも地主階級です。エリザベスの沽券は、彼女自身の性格もありますが、母の影響もあったのかもしれません。自分はダーシーに劣らない、地主の娘であると誇る場面が劇中にあります。
庶民には分からない感覚ですが。日本で言えば、坂口安吾の実家の様な家同士の話なのでしょう。エリザベスの足元には、大勢の小作人と、小作人から上がってきた年貢があるのだろうと思います。故にエマでは、小作人に敬意をもってナイトリーが接する事はあっても、ナイトリーが小作人のレベルの娘に恋される事は、噴飯ものだそうです。 |
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