madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2018年01月31日 の日記 ......
■ ゲスキャラ   [ NO. 2018013101-1 ]

■金と性の事しか語られない漱石の小説について。男子が読むものではないという意見があるのを聞き、納得しました。漱石はオースティンの作品に好意的でしたが、オースティンの作品も、金と性の話で大体完結しています。女性目線で結婚を語るから、ロマンチックになり得るんだろうなと思います。

(漱石もオースティンも、道徳的なオチは一応用意しているのだけれど、漱石の書く男で金に悩まない男はほぼおらず、オースティンの書く男も、ダーシー、ナイトリー他、ヒーローはほぼ大金持ちである。)

金に困る家でなく、自分の魅力に絶対の自信があった女・藤尾が虞美人草で漱石に惨殺されますが。その藤尾が愛した男、小野さんは藤尾を金ヅルとしか見ていませんでした。クレオパトラの真似をしたり、あれこれ小野さんの気を引こうとしてい藤尾を、心の底から悲しく思います。

糸子は藤尾の兄、欽吾について「財産なんていらない人」と言いますが、財産のある人の考えでしょう。暗い過去しかない小野が、藤尾の財産を狙うのは無理ない事としても、不自由ない財産があればあったで、こころの先生の様に「昔はもっと金持ちだった」としつこい場合が出て来ます。明暗の小林の貧しさと「優しさ」は、漱石最後の突破口だったのかもしれません。



■高松とグンマの短い小説を書いたのですが。余りに高松がゲスめいていて、読み直して困っています。ただ高松の場合、グンマや青の一族と対等ではない、アラシヤマの様な異能もない分、幹部ポジションでいたいのなら、どんなにゲスであろうとも、生き残る気合が尊いのだと思います。

ゲスの魅力はそこにあると思います。美人に生まれた訳でも、金持ちに生まれた訳でも、運動神経抜群でもなく、芸術的センスがあるとかでなければ、ゲスに落ちようとも何だろうとも、生き残る工夫が必要でしょう。



グンマは銀の匙をくわえて生まれて来た子です。黙っていても、余程周囲にゲスな人がいない限り、マジックの第一子として何不自由ない暮らしと、美しい容姿がグンマに用意されています。何の落ち度もない、美しいグンマ少年が、赤の他人と24年間も過ごした不幸はいい様がありませんが、恵まれている子なのは確かでしょう。

高松がグンマに出来る事は、最初から何もなかった様な気がします。高松が生涯賃金と、退職金、死亡保険金までグンマに捧げても、グンマのおやつ代にもならないと思います。愛情とか、思いやりとかが目の前を素通りしていく世界で生きるからゲスであるのであって、本来一生働かなくても楽に生きられる生まれのグンマがゲスに落ちる事はなく、高松がゲスを止める事もないと思います。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: