2月1日 ■いつも利用している日記サービスがメンテナンス中で、書き溜めています。メンテナンス後は再開されるそうで、一週間ばかり書き溜めの予定です。
■漱石の女性観について。ある程度漱石の理想を体現しているのは、三四郎のよし子なのかなと思います。まだ男を知らず、安全な実家でお嬢様然として暮らす乙女です。よし子にも縁談がある様なので、そのうち三四郎の世界も崩壊するんだろうなと思います。三四郎達のマドンナだった美禰子の結婚は、それくらいインパクトのある事件だったのだろうと想像します。
いいなと思った女性と、知り合いの様な友達の様な関係を続け、ふと気が付いたらその女性は自分じゃない男性と結婚寸前だったとか。漱石の実体験なんじゃないかなと思います。ならば永遠の未婚女性が漱石はいいのかと思いきや、いつまでも結婚できない行人のお重の涙も書いています。
金と性が漱石の中で常にセットだから。草枕の那美さんは元夫に金銭を与え、明暗の延は岡本から金を借りて来てくれるのだろうと思います。「こちらからは何の努力もしてないのに、いつの間にか深く愛してくれて、ついでに多額の現金も与えてくれる女」、漱石作品がラノベに見えてきました。
■宮尾登美子の、きのねを読んでいます。冒頭でヒロインの貧窮ぶりを語るのはいつもの事として、今回は役者の家の話です。伝統芸能、日本の文化、と胸の高鳴る舞台ですが、多分ヒロインが男にボコボコにされる話なんだろうなと思い、そっとインターネットで粗筋を読んだら、やっぱり女の子が男からボコボコにされる話の様です。
そんな言い方、ふさわしくない程の気品あふれる文章なので口を慎みたいですが。最後に書いたという錦が通常運行ならば、もう少し若い頃の作品は更に過激なんだろうなという憶測をします。外れていればいいと思いますが、雪雄の性格容赦が徐々に書き込まれ、一定の予感しかしません。芸事に達者な事が、何の免罪符になるだろうと思います。久米田康治のかくしごとではないですが、舞台裏は知らない方が幸せな場合が多いのかもしれません。
きのねも新聞に掲載されていた小説です。当時の読者は、男性に苦しめられる女性なんて珍しくもなんともなかったんだろうなと思います。
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