■続明暗を読んでいます。津田が「どうしてお前は俺と結婚しなかったんだ」と、清子を責めています。清子にすれば関と結婚した事が、津田に対しての答えの全てでしょう。清子の寡黙は、延と対称的なキャラゆえと言うだけでなく、津田への嫌悪を感じます。
一説に。清子が関と結婚したのは、清子の実家の窮地を関が救った、清子の実家を陥れたのは津田であったという「誤解」があったという推測もあるそうですが、縁の切れた女性に対し、夫との性生活をギラギラと尋ねる津田には、既に異常なものがあります。
もし漱石が修善寺の大患を経なければ。行人で「兄嫁を合法的に、身内から祝福されながら奪い、円満に新婚家庭を築く弟」というデタラメな展開もあったかもしれません。漱石は大患後別人の様になったと言われるそうですが、私には、坊ちゃんの頃から変わっていないと思います。
津田が坊ちゃんの様に逆恨みで、関をリンチしても全く不思議はないと思います。他人の平穏な暮らしを、漱石らしい「被害者意識」で、復讐心に燃えて壊しにかかる津田が怖くて、清子は寡黙なのかもしれません。
■ヘタリアのプロイセンと、南国&PAPUWAのアラシヤマが好きです。戦闘面で強いキャラだから好みなのもありますが、彼等が「偉そう」なのにも関わらず、「もっていないもの」がよく分かるせいかなと思います。
プロイセンには肉体(国土)がありません。どんなに強くても過去の話であり、WW1でドイツ帝国が崩壊した後は、王家もなくなりました。アラシヤマには、お友達がいません。彼の性格、体質のせいもありますが、友達って出来ない時は出来ないからな、と妙に彼の状況が分かる気がします。
■南国&PAPUWAについて考えていました。南国アニメが愛されたのは、面白いお兄さん達が、ガキんちょとマジバトルし、ガキんちょ(とシンタロー)が勝つからでしょう。大人が子供に暴力を振るうのは絵になりませんが、子供がする分にはありだと思います。
しかし南国&PAPUWAは、英国社会並に、階級社会です。結婚・恋愛・友情、全て階級社会と言うランクのなかの話です。
南国&PAPUWAの階級
UPPER CLASS (上流階級)
・青の一族全般、基本的に何でも好きな事が出来る。兄弟の順序、周囲からの愛され具合等で、微妙な権限の差がある。
MIDDLE CLASS (中産階級,中流階級)
・ドクター高松、自分で進退を決められる程度には権限がある
WORKING CLASS (労働者階級)
・おおよその刺客、マジックの捨て駒扱い。南国アニメを面白くした主流キャラがここ。人間働いてなんぼだと思うので、労働者は偉い。グンマも南国時代は、高松のせいで一労働者扱いだったが、PAPUWA以降は自分の偉さに目覚め、真正アッパークラスとして生き出した。
しかし原作者の好みが「労働者階級」にあるはずはなく、ワーキングクラスのキャラの出番は減る一方だった。自己投影するなら、原作者は金持ち・不労所得キャラ(サビ、シンタロー、リキッド)がいいらしい。
真正労働者の高松以下のキャラに心を寄せる事は出来るが、お姫様扱いのキャラ、いじられようといじめられようとも所詮かすり傷さえ追わない人達はよく分からない。
・ややこしいのはアッパークラスの上に、シンタロー、リキッド、ジャンという、神みたいな扱いのキャラがある事です。マジックの言う事を聞く義務はないし、死すら避けて通る番人勢はよく分かりません。 |
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