■毎日、温泉と鉄道の事ばかり考えています。そうしないと一日の労働に耐えられません。楽しい事を考えながら、一方で生活に必要な事をしていくのは、人が責める程悪い事ではなかったのではないかと近年思う様になりました。
アニメオタクに目覚めた時、知人一同声をそろえて「止めろ」「恥ずかしい」と私に言いました。隠れオタクになればいいものを、私はどうしてもあれこれ身につけたいものばかりでした。クラスも部活も好きではありませんでしたが、「好きなものと一緒なら」どこへでも行けました。
別にパレードや遊園地に行くのではなく。ただ人生に必要な学校や仕事に行くだけの事で、私はエールが欲しいのです。弱虫とも恥知らずとも、干物とも喪女ともいき遅れとも負け犬ともルーザーとも、呼びたい人は呼ぶといいと思います。自分なりに見つけた、生きる意味と方法がそれだったから、捨てる気はありません。
■水村美苗の続明暗を読んでいます。気味の悪い津田を避け、清子が東京に帰ろうとするくだりまで来ました。清子は何度も津田に、「貴方が湯河原に来るなんて意外過ぎる」「どうして同じ宿にまで来たのか」尋ねています。
津田はお見舞いのためだの、吉川夫人の命令だっただの、あれこれ言いますが、どの返事も不気味です。清子にすれば、津田が痴漢かストーカーにしか思えないでしょう。津田は「自分こそ清子の本当の男」「清子は実は俺を愛している」等の妄想に満ちています。
自分も津田が不気味に思えて来ました。話の通じない、ただの痴漢にしか見えません。しかしこういう男、水村美苗の創作ではないとも言えます。実は漱石の書く男達は、大体そんな感じです。
痴漢的というか、女性の内面を勝手に妄想し、事実と思い込み、懸命に女性にまとわりつき、頭が妄想で固まっていて、被害者意識が強く、対話不可能な人が沢山います。皆高学歴で、有能な方の男達だけに、操縦不可能な男が多いです。
・坊ちゃん ふと思うと何でうらなり君の破談と異動に、あそこまで坊ちゃんがムキになるのか。また、生徒たちのイタズラは、坊ちゃんの被害妄想だったのではと言う説を聞いた事がある。
・苦沙味先生 先生の代弁者の様な猫から、「妻に見捨てられた」との発言がある。先生の被害妄想だと思う、細君は先生を大事にしている
・画工 娑婆嫌いを表明している。那美さんに対し、常に受け身だった ・甲野、小野、宗近 藤尾こそ不誠実な男達の慰みものだったと思う
・三四郎 美禰子への淡い恋と言うより、三四郎の引っ込み思案 ・代助 被害者妄想の代表選手 ・宗助 最愛のお米にまで、「自分を理解しない」等の被害妄想を強くしている ・須永 嫉妬深い被害妄想 千代子も母も報われない
・一郎二郎 DVをしながら、妻に「お前が俺を殴らせる」とのたまう一郎と、そんな兄嫁に性的に萌える二郎。大患さえなければ、同一人物の様な一郎二郎の間で直の共有ないし譲渡が行われ、漱石の一大絵巻が完結したかもしれない。 ・先生 キングオブ被害妄想 縁談があった従妹が可哀想 |
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