madeingermany

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...... 2018年03月12日 の日記 ......
■ 我慢   [ NO. 2018031201-1 ]

■毎年桜を楽しみしています。山奥に住んでいるので樹木そのものは珍しくないのですが、きちんと手入れされたお花見用の桜と言うと、やはり遠出しないと見られません。

出かければ出かけたで、変に期待が膨らみ過ぎて疲れてしまったり。桜を観賞したテンションで二次創作に走るも、自分のテンションと版権もののキャラのリズムのズレを感じたりと、大人しく花見をすれば物足りず、自分なりに満喫しようとすると怪我をします。


何か思う所があって、新宿御苑まで新幹線利用で花見をした事があります。流石新宿御苑、歩いても歩いても桜で溺れそうでした。思えばそのテンションはあくまで花に対するもので、何かに生かそうとか、次の本のネタにとか小癪な事は考えなくてよかったのかもしれません。

細雪の幸子達の様な花見に憧れます。でも桜の木々の周囲をひたすら歩いて、180度見られたと言う満足感のある花見が好きなので、お着物で花見は出来ません。多分幸子達女性達自身が、桜の花の精みたいなものなのかもしれません。



■色々悩んでいた時。「でも何があっても私が我慢すれば、上手く行きますよね」と相談にのってくれた方に言ったら、「我慢はすなわち、見返りを求める事だから、続かない」と返事をもらいました。

思えば「私が我慢する」事に、破格の意味合いを持たせた傲慢な考えだったと今は思います。可能な限り前向き、建設的に取り組んで、それでもピラミッド?がガラガラと崩壊するのなら、運がなかったと言うか、そもそも無理だったのでしょう。妙な建造物が出来る前に、更地になってよかったのだと思います。




まとまらなくてすみません。宮尾登美子の小説を読んでいると、「我慢強い」女性が結構出て来ます。男に殴られても、周囲の女性にけなされても割と大丈夫そうな女性が。余程大いなる野望に満ちた女性なのかもしれませんし、単に「我慢している」だけなのかもしれません。

よって何が起きるかというと。その「我慢強い」女性による、目下、年下の女性への壮絶なイジメでした。「自分がこらえた我慢は、何倍にもして目下の女性に味わわせる」女性が、一弦の琴のヒロインでした。

ヒロインの御主人は、そんなヒロインの「我慢=見返りを願う」態度に全く気が付きません。ご主人はヒロインが崇め奉る相手なので、醜いイジメは起きません。「できた女性」と言われるヒロインの、まさしく蛇蝎の様な面を、後半のヒロインである蘭子はまざまざと見ます。




一弦の琴を読んでいて、前半の苗の話にしっくり来ませんでした。我慢強い女性として苗は生活し、女性のかがみの様に周囲に誉めそやされ、成功します。頑張った女性が報われる話なのかなと読んでいましたが、宮尾作品にそんなキレイなだけの女はいません。

琴のお師匠が、自分ではなくて下女の美代を女として愛した事、お師匠があっけなく亡くなった事、全ての怒りと憎しみを、無関係の蘭子に向けて顧みない苗が不気味でした。キレイすぎる小説の前半部分は、この大波乱の前触れでしかありませんでした。

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