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...... 2018年03月29日 の日記 ......
■ 宮尾作品雑感   [ NO. 2018032901-1 ]

■先に気楽な事を書きます。平凡に忙しい日々です。


高松は若い時、一回くらい髪を脱色する誘惑に駆られたのではと思います。まっすぐで豊かな黒髪が高松のチャームポイントですが、好きな人の好きな人が白い肌の金髪碧眼では、自信も揺らぐだろうと思います。

髪は染められるとしても、高松は眉毛も体毛も全部黒です。肌の色も南国男児です。サービスの様な金色のまつ毛は、どうしても得られません。眉毛と体毛はギリで染色、脱色するとしても、まつ毛は液剤が目に入りそうです(されている方すみません)。



高松は器用なので、エクステやメイク等が出来なくはないと思いますが、博士論文等で忙しく続かなくて。最初は「気分転換かな」とぬるく見守っていたルーザー様も、高松の頭がプリンになっていく上に、他の部分も金色、茶色、黒色と時間の経過とともに目茶目茶になっていき、高松自身もなんか調子が変になっていくのに気が付き(気が付くといいなあ)。

僕は黒色も悪くないと思う、と言ってくれる少女漫画の様なルザ高が描きたいです。高松は髪や肌は弱くないと思いますが、いじったり、片思いのストレス等で調子が狂う事はなくはないと思います。少女漫画にありそうな話が書きたいです。オチは多分、小さいキンちゃんと一緒に風呂に入る高松です。




■しつこく、宮尾作品雑感です。今読んでいるのは、女性画家が主人公の「序の舞」です。この小説をちゃんと自分は理解出来るのだろうかと思いました。ウンチク>キャラな部分が多いです。


・女が働く事について、ヒロインが周囲の男性から猛烈に批判される場面がある。女は結婚して家を守るものであるという「常識」を破って、ヒロインが画筆を握っているから。

しかしそんなのは、都市部の話であって。宮尾作品は、舞台がいつも都会的で、例えばお百姓夫婦の話などはないのでは。田舎の農家であれば、女も日夜働くものであり、むしろグンマの女は戦前から働き者で有名である。



・感情移入できるヒロインが少ない。いたいけな女の子が、猛烈なスーパーキャリアウーマンになり、男顔負けに働く姿が小説のウリなので仕方ないのだが、平成も末期の今において、「働く女性」が普通になってしまい、宮尾作品がもてはやされた時代の、「専業主婦」の方が現在では希少価値さえある。

宮尾作品の肝は「働く女」なのかと言えば、そうではない。「愛に狂う女」の方だと思う。どんなすごいスーパーキャリアウーマンでも、「異性からの愛」にはひざまずく。

可愛げもなくバリバリ働くしかなかった自分、たくましいオトコからしっかり守ってもらうという夢が捨てられなかった自分、への愛惜が中盤以降ドバっと出て来て、読みにくくなる。



・女は結婚して家を守るものという時代のせいなのか、女同士の友達が存在しない。男同士だと友達、仲間というものがいなくもないが、女は常に孤独に書かれる。

おままごとなんかしないで、自分磨きに頑張った少女時代、くだらない同世代の男達に見向きもしないでバリバリ働いた娘時代、やっとつかまえた「いい男」に貢いで捨てられて泣き叫ぶ中年時代と、大体ヒロインは孤独である。「オンナの友情」とかは、やはりセーラームーン以後の価値観なのだろうか。

仕事、芸事ににひた走ったヒロインが、結局弟子や夫、子供、嫁達に満足せず、少女時代に夢見た「頼もしい男に愛されるあたし」像に潰されて死んでいく姿は余りにも悲しい。宮尾作品は、女は三界に家なしと言われた時代そのものだと思う。スーパーキャリアウーマンを何人も小説にしているけれど、結局は社会の望む「女」の姿を形にしただけなのかもしれない。

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