madeingermany

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...... 2018年04月10日 の日記 ......
■ 藤尾   [ NO. 2018041001-1 ]

■グンマ様は身内が好きみたいですが、長らくちゃんと関われていなかったマジック達への、憧れもあるんじゃないかなと思いました。強くて素敵なお父さんがいて、叔父さん2人からも可愛がってもらえるシンタローが、グンマは泣きたいほど羨ましかっただろうと思います。

シンタローは、「そんなんじゃない」と言うと思いますが、羨ましさというのは簡単には消えないと思います。結果、キンちゃんに時々マウントを取ると言う選択をグンマはするのだと思いますが、キンちゃんにはマウントと言う概念が薄弱そうです。

キンちゃんも青の一族なので、「自分が一番」という意識が素でありそうです。体がちっちゃくて戦闘的ではないグンマに対し、「俺がグンマを守らねば」くらいは思っていそうです。目の前で瀕死の重傷を負った事のある高松に対しても、「俺が高松を守る」と思っていそうなので、キンちゃんは素で男の子なのかなと思います。



■「女の生き方」的なものが書いてある本がないかなと思いました。自分は女に生まれたのですが、別に女として生きようと思った事もなく、ただ働いて、お金をもらって、暮らしています。

「女」を徹底的にエンタメにした女流作家の作品を読んでみましたが、「女には男の愛が必要」という絶対の信念がある作家だったので、自分は参考に出来ませんでした。

キンちゃんではないですが、予言書の様に自分の進むべき道の書かれた本があるなら読みたいです。しかし多分ないでしょう。司馬遼太郎とか、男らしいハッキリした物言いの本が好きですが、歯切れの良さを自分の指南書にしようと思って、今まで乱読していたんだろうなと思いました。



■昔なじみの、虞美人草の世界についての雑感です。中学生の時から読んでいましたが、宗近家が明るくていいなあくらいしか思っていなかったと思います。以下、藤尾についてです。


・劇中で藤尾は「行遅れ」、婚期を逃していると書かれてる。藤尾の母は、「藤尾はまだ子供だから」と言うが、その母には「藤尾にお婿さんを迎えたい」というはっきりした希望がある。

藤尾のお婿さん候補として、甲野さんの家に小野が招かれたのだが、別に甲野さんや宗近が思う程、いやらしい行為でも、不徳義な事でもないと思う。

本来、藤尾の夫選びは父親の役目だった。父親が亡くなったあとは甲野さんのつとめになるのに、甲野さんが役目を放棄しているので、母と藤尾が行動に出ただけである。甲野さんは父の遺産を背景に、非婚を貫く気だったと思う。こんな役立たずの兄、子供を持った藤尾、藤尾の母が気の毒過ぎる。



漱石の小説全般に言えることだけど、男として、夫として、または普通に家族としてなすべき事を欠片もしない男が多い。だから劇中の女性達は行き詰って、三千代の様に代助と言う、甲斐性なしにすがってしまい、破滅に陥るのだと思う。

つまらない男を選んではいけない、という生存上の理由のため、三四郎の美禰子は、野々宮も三四郎も選ばなかった。弱い女が生きるためには、周囲の男を品定めするよりないのだが、その手段である「媚態」は罪悪なのだと漱石は言う。



明暗の小林も言っていたが、漱石の書く男達は、財産や地位を背景にしダラダラと過ごし、迷惑をこうむる女性達を馬鹿にするという、あまりよくない男が多い。行人の一郎も、「妻が俺を殴らせる」と言って、DVに出る救いようのない男である。

藤尾の死は、許嫁の宗近がいつまでも就職しないので、父の存命中に結婚に行きつかなかった事に始まり。嫡男である甲野は引きこもりだし、ついには小野と言う逆玉狙いに引っかかり、その小野が藤尾を捨てた事に原因がある。

よってたかって藤尾を愚弄し、もてあそび、死に至らしめたのは男達に他ならない。劇中の藤尾のプライドの高さは、そんな意地の悪い男達への、せめてもの意趣返しだったのだと思う。

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