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...... 2018年04月16日 の日記 ......
■ 司馬   [ NO. 2018041601-1 ]

■子供の頃、人並みにシルバニアファミリーのシリーズに憧れていました。今でも現役のシリーズで、新商品が出ていると知って驚きました。

親に懇願して、「アーバンハウス」を買ってもらったことがあります。小公女セーラがダイヤモンドプリンセスとして利用しそうな、瀟洒なクラシックホテルがイメージされた人形の家です。

自分にしてはしつこく親にねだったのですが、買ってもらってから「楽しみ方」が分からなかったのを覚えています。豊かな方のセーラの如く、おままごと道具が五万とあれば別ですが、空っぽのプラスチックの箱を楽しむには、相当の想像力が必要です。



ハウスの中に飾る家具や食器を追加で買ってもらえるはずはなく、自分は6,000円のオモチャをただの箱にしてしまいました。自分は、貧しくて身汚いただのガキなのだと実感した最初の冬でした。セーラ得意の「想像力」って彼女の生まれたセレブ生活故の荒業だと思います。

くどくど書きましたが。今自分が同人誌のための原稿を書くのは、昔身の程を知らないで求めた、ドールハウスを未だに追いかけているからかなのかなと思いました。

(そう書きながら、ブロンドブルーアイズの英国籍科学者父子に、部下だとか家庭教師だとか自称して、お世話を焼きまくる香川人の話が書きたい。キンちゃんのお袋の味は讃岐うどんだと思う。)




■街道をゆくを読んでいます。特定の主人公もヒロインもおらず、淡々と街道を歩く司馬遼太郎の姿だけあります。司馬遼太郎自体、アイドルの様な存在だったと思いますが、氏自身は小説家に徹していたんだろうなと思います。

大河ドラマがあくまでドラマである如く。本当の黄門様は全国を旅などしていなかったとか、それを知って尚創作物を楽しむのは構わないし私も好きです。しかしまさか、氏の創作物である歴史小説群をして、司馬史観という考えがあるとは驚きです。



司馬氏が小説を書く時は、書店が一軒まるまる在庫を失うくらいの勢いだったと聞きますし、出来た小説は面白く、緻密で、まるで生きている人に会っている様な躍動感があります。しかし氏の創作物です。モデルに史実の人間を持ってきていても、氏の創作的活動によって、新しい命を与えられた事に違いありません。

そう思うのは、同じ時代、同じ人物を扱った別の人が書いた創作物を読む事が出来るからです。氏がどう扱っていても、別の作品では別人の様な評価を受けているかもしれませんし、同じ事件を扱っていても、全く異なる印象を受ける場合も多いです。

氏が正しいとか、他の作家さんが正しくないとかではなくて、エンタメのための創作物である以上、創作した人によって十人十色になるという、ごく自然な事だと思います。自分は今まで、結構な数の歴史物を楽しんできたと思いますが、ちょっとやそっとで目くじらを立てていていては、こちらが持たないと知った所です。

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