■先に楽しい事を書きます。明日五時半頃に起きて、6時半出勤の予定です。たまにはこんなスケジュールで動いてみると、「補佐官のキンちゃん」の多忙さを想像するネタになります・・・と思って、明日一日頑張って来ます。
■細雪を読んでいます。戦時色が濃くなりかけて、細雪は終わります。戦時中でも豪華な呉服を仕立てさせていた奥様、お嬢様が存在していたのだと何かで読んだことがあります。蒔岡家の財力は?と思いますが、幸子達の贅の限りは、主に貞之助の稼ぎ故でしょう。
こいさんの「贅沢」は、下巻で啓三郎の貢物であった事が判明します。明るく爽やかな細雪の上巻の頃も、こいさんの「闇」は広がっていたのかなと思いますが、多分上巻を書いていた頃の谷崎は、そこまで考えていなかったと思います。
■以下、妄想と雑感です。読んだ方が不愉快になられたら、申し訳ありません。
・「したくない事をする」のが、柴田亜美作品で作者から寵愛されたキャラの特徴なのかもしれないと思う。劇中の登場キャラ達は、皆仕事等で忙しいはずだが、作者の寵愛が濃くなればなるほど、「・・・したくないけど・・・やってる」という面がクローズアップされてくる傾向があると思う。
リキッドは「(仕事である)全破壊をしたくないが、特戦にいるのでしなければいけない」、ないし「子供や動物の世話なんて嫌でたまらないが、(番人だから)やむを得ずやっている」状況である。彼に関して、「仕事好き」「子供好き」に見えたことは一度もない。
別に好きで仕事や子供の世話をする必要はないのだが、例えるなら、カミヨミで嬉々としてあれこれしている丸木戸が好きなのは、その辺の「意欲」が好きなのだ。
・リキッドを責めても仕方ないので。作者の寵愛を受けた他のキャラを考えてみたい。まずシンタローさんだが、彼は「島に来ちゃったから、秘石をパプワにとられちゃったから、どうしてもパプワのために働かねばならない」。
シンタローに関してはアニメ補正、彼のアニキ的性格等で、あまり原作者の「嗜好」的な罠を感じない。シンタローは主役だし、彼の感情や生い立ち、立場等が劇中でクローズアップされるのは自然な事である。リキッドは、脇役の上に、後発的なキャラなので「理解出来ない」と見えるのだろうと思う。
原作者の「嗜好」の結晶は、サビではないかと思う。サビはとうとう、劇中で一回も働かなかった。おそ松さんもびっくりのニートである。学生時代は優秀で、卒業と同時に前線に出たのだが、ジャンを「殺した」ために、精神的ダメージが大きくて、ある意味再起不能に陥った。
サビは家族とは仲が良く、漱石のこころの先生を慕う様に、シンタローが慕って来たり、コタとも一応師弟の間柄になっている。尊敬されるニートと言う、珍しいジャンルのキャラである。漱石のそれからの代助も、兄の嫁や子供達と仲がいいので、家運さえ傾いていなければ、高慢なニートは許される存在なのかもしれない。
そんなサビの「したくないこと」は何なのかと言えば。仕事、暗殺、人殺し等ではなく、「生きる事全て」なのだろうと思う。細雪の雪子の様に、生まれながらの財産と、不老の美貌を持つ彼は、周囲からの絶賛を浴びながら、「(ジャンを殺してしまった罪悪感と喪失感で)生きていたくない」自分を持て余していたのだろうと思う。
高松にも、ルーザー様を失った罪悪感と喪失感はあるのだけれど、サビ程あれこれ恵まれていない高松は、働かなくてはならないし、グンマの世話も贖罪の方便として欠かせなかった。高松の性格は丸木戸よりというか、「したいことをする」面もあるので、原作者の寵愛から外れているのがよく分かる。 |
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