■歴史をテーマにした作品を読むと、ルーザー様みたいな人が沢山いて安心します。南国&PAPUWAは、
・「任務が果たせなければ死」みたいな男性倫理と ・「少年誌的明朗ギャグ」のノリと ・「何だかんだ言って描いているのは女性」 (お気に入りのキャラに対し、褒めどころが美貌や家事の腕前なのが特徴) ・「多分作者女性の父君は、優秀な理系男子なんだろうな」という、おぼろげな印象。(いや、劇中の理系男子率が異様に高い気がする。劇中に科学者が多過ぎる。キャラがほぼ理系と体育会系のみ。)
というイメージがあり。ルーザー様は極北にある気がします。だからルーザー様はラスボスに近い扱いなのですが、誰かが極北にいねばならなかったのだと思います。(本来マジックの立ち位置なのだけど、マジックが死んでしまったら、シンタロー(=原作者)最大のパトロン、最も愛してくれる男との別れであり、原作者には好まれないのだと思う。)
■新選組をテーマにした漫画をいくつか読んでいます。新選組ものはどれも面白いと思いますが、ファンは自分が最初に読んだ作品に影響されるのかなと思います。私が初めてきちんと最初に読んだ新選組ものは、広瀬仁紀の「土方歳三散華」でした。
散華とタイトルにあるように、函館の土方まで書いてあります。多くの漫画作品だと打ち切りなどで最後まで書いていない時があるみたいですが、こちらはあえて小説のスタートを池田屋事件直後にしてあるので、函館の土方まであります。
新選組以外でも歴史物は結構好きで読みます。しかし打ち切りや、色々な理由で「面白い所まで書いていない」場合があるようです。三国志ものは更にそうです。話が長過ぎて、読者も雑誌も作家も抱えきれなそうだなと、勝手ながら何度も思ったことがあります。
歴史物だと、先人が最初から最後まで一回はエンタメとして発表したものがあります。三国志なら人形劇か、吉川、横光を読むと大体楽しめるでしょう。新選組も大河か、司馬遼太郎のものでほとんど山場は網羅できそうです。
全く同じテーマで、新たに自分の作品を発表しようとする作家さんは、大変そうです。個性、オリジナルがある作家は「強み」があるんだろうなと思います。
(南国&PAPUWAの原作者は、その点では無比な作家だったと思う。しかし作品だの物語なんだので「認められる」より、全然違う方面の承認欲求の方が勝っていたのかなと今になって思う。) |
|